前回の続き
続いて、平川地一丁目から卒業生への言葉です。
彼らは二人で東京ヘレコーディングに来た時、寂しくて旨く歌えなかったそうです。
そんな彼らが、ゆっくりと、言葉を選びながら話しました。
ナレーションにかぶって龍之介君の言葉は、最後の「・・・島に帰ってきてください・・・帰ってくればいいんじゃないかなあ」という言葉しか聞こえませんでした。
多分その前は、「辛くなった時には」とか、そういう内容ではないかと憶測します。
直次郎君は、「島発(しまだち)は、辛いことがあると思いますけれど、悲しむだけでなく、将来の夢に向かって頑張ってください」と伝えました。
龍之介君は「僕達は喋るより、歌う方が伝えやすいので聴いてください」と、歌で卒業生達へ気持ちを伝えます。
曲は「桜の隠す別れ道」。
兄の創った曲を弟が歌います。
♪
桜の花 風に泳いでいる
小さな波 光り輝いている
今思い出と重ねられる時
あの日の二人を思い出すよ
てれくさく 距離をおき 真っすぐ見れなくて
作った笑顔 鏡で見ては おかしくて
はじめから 三年と 決められた月日に
追いかけられて 二人の場所
夢を語り合う
(中略)
散る花の 向こう側 少しづつ小さくなる
泣いてるの? 笑ってるの? もう届かぬ
後ろ姿が
今思い出とさよならをする時
春が告げる出会いと別れを
♪
全員の惜しみない拍手、歓喜余って手で口を覆う卒業生。
卒業ライブの後、生徒全員と平川地一丁目の皆が輪になり、合唱をはじめました。
ギターを弾いて最初のところで直次郎君が弾き間違ってしまったのですが、その時の皆の笑い顔が、卒業という別れの寂しさをほんの少しだけ和らげてくれたような雰囲気でした。
平川地一丁目の二人がギターを弾きます。
その演奏に合わせて、生徒達が歌を歌います。
曲は、Kiroroの「Best Friend」です。
ちょうど今、私はドラマ「ちゅらさん」にハマッている最中なので、その主題歌を歌ったのには、何か不思議な縁というか何かを感じました。
♪
時には急ぎすぎて見失うこともあるよ仕方ない
ずっと見守っているからって笑顔で
いつものように抱きしめた
あなたの笑顔に何度助けられただろう
ありがとう ありがとう
Best Friend
ずっと ずっと Best Friend
♪
「この曲を皆で歌いたい」と卒業生達が提案したら、平川地一丁目の二人は快くOKしたそうです。
この曲はピアノの歌ですから、ギター演奏にアレンジするのは彼らには大変な曲です。
けれど前日の夜中まで、ずっと練習していたそうです。
卒業生達の喜ぶ姿を見たいが為に。
歌い終わって、二人も含めて皆で拍手している姿は、なんだか良いなあと思いましたよ。
人数も少ないから、そんな盛大なる拍手の音じゃないけれど、その分、全員が心から拍手している一つ一つの音が、私の耳に心地よく入ってきました。
音楽界という大海原に旅立つ平川地一丁目の二人へ、卒業生達からお花と「大漁旗」が渡されました。
「平川地一丁目さんへ 飛翔」と書かれています。
これは生徒とそのお母さん達で作ったものです。
「飛翔」・・・この若く幼く、けれど吉田拓郎も認めたその才能で、大きく舞い上がっていってほしいものですね。
2月に決まってからの1か月、勉強をしながら全員一丸となって作った卒業イベント。
島を旅立つという寂しさだけでなく、4月からの高校生活への憧れ、希望というものを平川地一丁目は教えてくれました。
音楽で人を幸せに出来るって素晴らしいことです。
私達も夢に向かって飛び羽ばたきます。
一生忘れることのない素敵な一日をありがとう。
・・・・・・そう、卒業生は語ってくれました。
ライブ後、お母さん達が作ってくれた食事をみんなで食べました。
笑い声が絶えない、見ていて朗らかになる光景でした。
そして平川地一丁目の二人は、船に乗って去っていきます。
二人が手を振るその先には、港から大きく手を振り、「感動と思い出をありがとうございました」と書かれた紙を握った生徒達の姿がありました。
船は港からどんどん離れていきますが、その手の動きがやむことはありませんでした。
このイベントは、お互いにとって忘れることの出来ないものとなったでしょう。
学生時代に受けた感動の思い出というものは、大人になってからも勇気付けてくれる原動力となります。
大漁旗の「飛翔」という言葉にふさわしい成長を平川地一丁目と海陽中学校卒業生に期待したいですね。
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