2005年03月01日

17時〜19時って不思議な時間帯ですよね

今日中に、特撮関係の記事もアップしますが、その前に一つ簡単に書いておこうかと。
昨日、月曜病(ブルーマンデー症候群)について書きました。

前回の記事:月曜病(ブルーマンデー症候群)
http://kanzaki.sub.jp/archives/000579.html

月曜の朝が憂鬱で仕方が無く、終いには出社拒否にまで至る症状。
月曜日の朝以外にも、そんなアンニュイ(ennui 退屈,倦怠)な感覚の時間ってありますよね。
私の場合、平日の17時〜19時がそれにあたります。
寂しいような、気だるいような、逆に心地よいような変な感覚。

平日の17時〜19時と云いますと、私は残業をしている最中です。
商店街ではその時間、夕食の買い物をしているオバチャン、帰宅途中の学生、仕事帰りのオッチャン、そういう全くカテゴリーの違う人間が行き交う不思議な空間となっています。
しかも皆、考えている事がバラバラ。
「今日のおかずは何にしようかしら・・・」
「これから塾か。嫌だなあ・・・」
「まっすぐ帰らず、一杯ひっかけてから帰ろうか・・・」

季節が夏で、場所が田舎の方だと、一際、寂しい感覚に陥ります。
近所の雨戸を閉める音が響く。
寺の鐘が寂しく遠くから聞こえる。
自転車で道路を走っていると、対向車のヘッドライトが眩しい。
猫の集会なんか見かけると、少し他人とはズレた世界にいる感覚に陥る。
なんとなくやはり、異質な時間帯です。

私が大学時代に一人で住んでいた街は、17時の時報と共に「♪夕焼け小焼けの赤トンボ」のメロディが近所で鳴り響きました。
そして、どこかの家の台所から流れてくる手料理の匂い。
ドラマの再放送やアニメをモノラルスピーカーの14型テレビで、ぼーと見ていますと、むしょうに寂しくなります。
だから、夕方からバイトを入れていたりしたなあ(しかし、大学での講義を聞こうと云う気力は無し)。

雨や雪とかの天気の悪い夕方って、それほど憂鬱じゃないんですよ。
むしろ、茜色に染まった綺麗な夕焼けの日のほうが、憂鬱になったりします。
特に何もせず、ぼーっと空を見上げた時とかね。

小学生の時とかだと、日曜の昼過ぎから夕方ぐらいもアンニュイだったような気がします。
ほら、あの時間帯って、子供が喜びそうなテレビ番組とかって無いじゃないですか。
料理・温泉・旅・ゴルフ番組・・・・テレビ東京あたりが得意そうな、あんまり子供には嬉しくない番組ばかり。
だから、アニメ「マクロス」が日曜の昼過ぎにやっていた時は嬉しかったです。
大人になって日曜の昼過ぎに外出する事も増えたけれど、ドライブの帰り道、ユーミンのFM番組(夕方にオンエア)とか聴いていると、やはりもの寂しくなったりしました。

平日でも休日でも、どうも、この夕方の時間帯って云うのは憂鬱です。
これはどうやら医学的にも正しいそうです。
仲井久夫・山口直彦 著「看護のための精神医学(医学書院)」によると、誰もが精神的に不安定になる時間だそうです。
そして、夜20時を過ぎると「夜の気分」になって精神が落ち着くそうです。
夕方はやはり「悲観的になりやすい時間」らしいですよ。
日曜の夕方、「サザエさん」「笑点」を見て憂鬱になる現象も、理論的に間違ってはいないようです。

”逢魔が刻(おうまがとき)”と云う言葉があります。
昼と夜の境の夕方と明け方の事で、この時間帯に妖怪はこの世に出入するとされています。
ちなみに妖怪は時間的な境界だけでなく、物理的な境界にも出現します。
神の間・納戸・便所・軒・門・神社・寺・辻・橋・峠・村境などは、そうした境界の主要なものであって、これらの境界は物理的・社会的境界のみならず,神や妖怪の棲む他界との境界とも考えられていました。
やはりこの時間帯の異質な雰囲気は、昔の人も感じ取っていたみたいですね。

神経、内分泌、自律神経の”昼モード”の疲労が現われる時間帯。
この時間帯の憂鬱さを吹き飛ばすには、どうしたらいいのでしょう。
いっそうの事、無理せず、その雰囲気に身を任せるのがいいのかもしれません。
身体って複雑だから、あまり無理をすると、何かしら反発するように悪い症状が出るものですし。

若い人の方が、そういう感覚に陥りやすいかもしれませんね。
学校の授業が終わった後の放課後と云うのが、正にその時間帯。
色んな事に悩んだり多感な時期ですからね。
ちょっとした周りの変化、体内の変化に敏感なんです。
もし大人になった今でも、あなたがそういう感覚に陥るようでしたら、それはむしろ、あなたが感性豊かな人なんだと思いますよ。
芸術家と云うのは、世間の人達とは違う時間の進み方で生きているから、誰も考えつかないような作品が出来上がるのです。
もし、何か芸術系の作業をするのならば、夕方にしてみるのもいいかもしれませんね。

余談ですが、夕方以外、そういう異質な雰囲気を感じたければ、深夜のコンビニもいいかもしれません。
殆ど人の居ない店内。
何とはなしに流れているBGM。
別に興味も無いような内容の雑誌をめくってみる。
こんな時も、不思議な感覚になりますよ。

Posted by kanzaki at 2005年03月01日 12:46 | トラックバック (0)