2005年03月04日

「サプライズ」と云う言葉に違和感

昨年の流行語大賞に「サプライズ」と云う言葉がありました。
自由民主党幹事長の武部勤さんが授賞式に出ていましたね。

『現代用語2005』社会風俗用語によると・・・、
英語 surprise は「びっくりさせる」の意味だが、小泉首相に関しては単なる「サービス」の意味で使われる。
第1次内閣から田中眞紀子外相など組閣にあたって意外な女性を採用。
このコトバは拡大解釈され2004(平成16)年7月の参院選前に突然訪朝してジェンキンスさんを返せと金正日総書記に迫った行動なども、小泉流サプライズ。
同年9月の第2次組閣ではついに「ノーサプライズ」とがっかりされる始末。

株式の世界での、この言葉の意味は・・・、
サプライズとは、株価などを大きく動かすような驚くべき材料・ニュースが出ること。
株価や為替などのマーケットは、サプライズによって動く傾向が強い。
株価の場合には、業績見通しの上方修正や下方修正などの業績サプライズ、合併のニュース、新製品開発のニュース、米国株の動き、為替の動きなどがサプライズとなることが多い。
為替の場合には、米国大統領やFRB議長、日本の財務大臣や日銀総裁などの要人発言、各種経済データの発表などがサプライズとなることが多い。
サプライズと思われる材料が出たのに市場があまり動かない場合には、「材料織り込み済み」と判断される。

最近、富にこの言葉を耳にします。
コンサートに突然、ゲストが登場する際、「サプライズゲストの××さんです!」と紹介したり、予告無しにアーティストがやってきてゲリラライブをやる事も「サプライズする」とか云っています。

どうも違和感を感じてしまうんですよ。この言葉に。
レストランで「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」と云われた際に巻き起こる感情に近いものがあります。
「それは”よろしいでしょうか”だろ!」とツッコミを入れたくなります。
こちら(http://www.indierom.com/dengei/dailylife/kimuchi/yorosi.htm)で詳しい解説がしてあります。

『「確認の敬語」として広がったと見ている。「よろしかったでしょうか?」は確認の敬語であり、「よろしいでしょうか?」は許可を求める敬語である。
客が不愉快になるのは店員が許可を求める場面で、確認を求めることになるからだ。』

お客が期待を求めていたものと違う言葉が返ってくるから不愉快になるのですね。
『現代用語2005』では、「サービス」の意味に解釈しています。
テレビやコンサートで耳にする「サプライズ」は、「お客へのサービスの一環」「進行の中の一項目」程度の内容なのに、堂々と「本日のサプライズゲストです!」とか云うものだから、客は冷めた目で見てしまい、「サプライズ」と云う言葉に違和感を感じるのじゃないでしょうか。
そんな横文字使うほどの事じゃないじゃん!
「モノマネ王座決定戦」で、モノマネをやっている後ろから本物が登場する程度の事じゃないかと。
少なくとも私はそう思います。
他の人は違和感を感じないのかなあ・・・。

そう云えば、「ありえない」と云う言葉にも違和感を感じます。
それについては以前、神ナナで書いたのでご参照ください。

ありえない(January 02, 2004)
http://kanzaki.sub.jp/archives/000010.html

「殺人的」と云う単語を「殺人的スケジュール」と使うのは自然ですが、「殺人的にかわいい」だと、感覚的には分かるけれど、やはり変。
「全然すごいですよ」と云う言葉も、本人は良い意味で使っているけれど、云われた方は誉められているのか、貶されているのか分からなくなります。

言葉は生き物。
「言葉は時代によって揺れる」のです。
だから、違和感のある言葉だって、いつかそれが当たり前になっていくんでしょうね。

関連記事:桃太郎の歌(August 24, 2004)
http://kanzaki.sub.jp/archives/000362.html

言葉じゃないけれど、私が文章を書く際に良く、「体言止め」(たいげんどめ:名詞、代名詞などで文を終えること)を使いますが、マスコミ関係で文章を書いている人から見ると邪道です。
でも、ついつい書いてしまいます。
インターネット上に書かれる文章って、本に書かれている文章よりも、どっちかと云うと、喋り言葉を文字に起こしたものの方が多く見かけます。
だから、体言止めを使ってしまうんです。
まあ、言い訳ですね。これは。

Posted by kanzaki at 2005年03月04日 12:50 | トラックバック (0)