2005年11月29日

自分へのご褒美

昔、「自分へのご褒美」と云う言葉に違和感を感じていました。
ご褒美って、他人からいただくものじゃないのかと。
自分のやった何かを認めてもらえたから、それを貰えるのであって、自分で買ったらそれはご褒美とは云わないのでは?
上記のような事を口にしたら、変な人に思われるから今まで云わなかったのですが、日経のコラムで同じような事を感じている人がいて、ああ自分だけじゃないんだなあと思いました。

割とこの言葉は、若い女性が使いますよね。
柔らかい表現だから使いやすいのかな?

男の場合、この言葉を使う人はあまりいません。
どっちかと云うと、「物欲が沸き起こって、我慢できずに買った」とか、そんな言葉を使うような。

私は違和感は感じていたものの、よくよく考えてみると、この言葉も悪くはないのかもと思いはじめました。
何故かと云うと、社会人になると誉められる事って少ないからです。
ましてや、表彰状やトロフィー、それに付随する副賞の商品を貰うことなんて、まず無いと思う。

人間って、自分の価値を認めてもらいたい生き物だと思うのです。
その考え方がちょっとヒネクれると、自分は何も精進しないくせに人と自分を比較し、自分より下の人間を見下したり、差別したりします。
そういうマイナスのパワーで相手と比較するような人間には、なりたくはないですよね。

人様から誉められる人間になれれば良いけれど、そうそうなれるもんじゃない。
それによって、悪い方向へ自分の心が変化するぐらいならば、自分で自分を誉める方が、よっぽどプラス思考で良いと思います。

あなたは自分の事を100点満点中、何点だと思いますか?
60点? 80点?
いろいろと意見が出るでしょうが、自分のことを100点満点だとハッキリ云える人って殆どいないと思います。
100満点だと云い切れる人に対し、あなたはどう感じます?
その云い切った相手を実際に見て、鼻で笑ったりするかもしれない。
私は逆に、云い切れる人をとても尊敬します。
自分自身の色んな面を一番自分が知っており、そこには嫌な面もあるのに、それを加味しても100点満点だと云えるのですから。
そういう人は、自惚れているのではなく、弱い面も全て受け入れる心があるから云えるのだと思います。
きっとそういう人は、他の人も100点満点で評価する事が出来て、その人の周囲は笑いの絶えない素敵な環境なんだろうなあと思います。

「自分へのご褒美」は「他人がくれないから自分で買うんだ」と云うマイナス思考だと昔は思っていたのですが、最近はようやく、そうじゃないんだと思えるようになりました。
本当に自分で自分を誉めて、労ったものが形になったんだと。

男ってマイナス思考になりがちです。
自殺する人って、多くは男です。
そういう思考形態だから、「自分へのご褒美」と云う言葉を使わないのかも。
そうすると、「自分へのご褒美」と云う言葉を普通に使える女性って云うのは、とても大らかな心の持ち主なのかもしれません。

私も「自分へのご褒美」と普通に使えるようになろうと思います。

Posted by kanzaki at 2005年11月29日 19:27 | トラックバック (0)