2006年07月26日

江戸仕草(えどしぐさ)

今朝、尊敬する上司が朝礼にて、江戸仕草(えどしぐさ)について話されていました。

傘をさしてすれ違う際、お互いが外側に傘を傾けて、濡れないようにしてあげる仕草を「傘傾げ」と云います。

また、狭い場所で相手とすれ違う際、すれ違う肩を引いて互いがぶつからないようにしてあげる仕草を「肩引き」と云います。

更に、電車など座席が混み合ってきた際、ほんの少し腰を浮かせる事で隣同士の間隔を詰めて、少しでも多くの人が座れるようにすることを「腰浮かし」と云います。

お互いが日常生活の中で不快な思いをしないように互いに気遣うこのような仕草を江戸仕草(えどしぐさ)と云います。
これの良いところは、そのさり気なさです。
恩着せがましい感じはなく、あくまでもさりげなく自然に振舞うのです。

江戸時代と云うのは、260年以上続く長期安定政権でして、「天下泰平」という日本語が生まれるほど平和な時代でした。

●参照:江戸時代 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E6%99%82%E4%BB%A3

人びとの思想が自由になり多様な学問が開花。
寺子屋が出来たおかげで、庶民でも読み書きができるようになりました。
「知恵の実」をかじった人々って云うのは、物事を紳士的・理性的に考えられるようになるメリットがあると思うんです。
そんな時代背景が、江戸仕草なんて云う粋(いき)なものを生み出したんじゃないでしょうかね。

江戸時代の特に「江戸っ子」なんて云うのは、私の中のイメージの一つとして「無駄なくテキパキ」なんてものがあります。
時間に対してルーズなところがなく、無駄な事はしたくないと云う性格だったんじゃないでしょうか。
江戸仕草の良いところは、お互いがスムーズに生活できるようにする→トラブルが起きないから、そういう煩わしい事に時間を割かなくていいと云う思考(時は金なり)も根底にあるように思います。

大抵、江戸仕草について書かれたコラムを読みますと、そんな江戸時代の振る舞いとは逆に、現代の若い人々はマナーやモラルがなっていない。今こそ、江戸時代の精神を学ぶんだ!
・・・・・・みたいな事をお約束のように書くので、神ナナでは書かないことにしましょう。
書かないってのが粋ってもんだ。

じゃあ、どんなベクトルへ向けようかと考えますと、やはりここは「ヒーロー(英雄)」でしょう。
「仮面ライダーカブト」と云う特撮番組の主人公・天道総司。
この主人公は、最近流行の「俺様系キャラ」です。

・仮面ライダーカブト
http://www.tv-asahi.co.jp/kabuto/
・仮面ライダーカブト(東映公式)
http://www.toei.co.jp/tv/kabuto/index.asp
・仮面ライダーカブト(劇場版)
http://www.tv-asahi.co.jp/kabuto-movie/

仮面ライダーカブトに変身する青年。
「天の道を行き、総てを司る」という偉そうな名前のとおり、世界で自分が一番偉いと思っている。
熱い魂の持ち主だが、それをストレートに表に出すことはない。
妹の樹花(じゅか)と二人暮らし。その妹を誰よりも大事にしている。
また“おばあちゃん”を尊敬しており、その教えから発せられる天道語録は不思議な説得力を持つ。

・天道語録
http://www.tv-asahi.co.jp/kabuto/11_tendo/index.html

彼はサブ主人公の加賀美を「友達じゃない」とつけはなしているくせに、裏で気づかれないように助けてあげたりしています。
そして、それについて恩着せがましい事はせず、常にクールです。
天道語録に掲載されている「男はクールであるべき・・・・・・沸騰したお湯は蒸発するだけだ」との言葉の通り、常に冷静。

そういや、注目される女性のキーワードも「かわカッコいい(可愛い+カッコいい女の子。山田優さんとか蛯原友里さん)」から、「クールビューティー」へシフトしているように感じられます。
やけに雑誌やテレビで、このキーワードを聞くようになりました。
クールビューティーの代表格と云えば、フィギュアスケートの荒川静香さんでしょう。
知性、凛とした姿、自立・・・等とかっこいいキーワードが連想されます。
男には使われない「才色兼備」と云う言葉も、クールビューティーの同義語かもしれません。

多分、そういうキャラクター達には、江戸仕草の考えが無意識に備わっているんじゃないでしょうかね。
ただ優しいだけじゃない、さり気なさ、クールさ。

「ちょい不良(ワル)オヤジ」には、どうもチンコ臭さがあって好きになれなかったのですが、上記のようなキャラならば、世代や性別は関係ないので、自分の中に取り入れやすいですよね。

あなたも、ヒーローに一歩近づいてみてはいかがでしょうか?

Posted by kanzaki at 2006年07月26日 22:01