2009年02月09日

最近、一番泣けた川柳

●サラリーマン川柳 入選作品発表 〜「趣味読書 昔新刊 今図書館」など100句〜
http://career.oricon.co.jp/news/62886/full/

第一生命保険は9日(月)、22回目を数える恒例の『サラリーマン川柳コンクール』の入選作品100句を発表。寂しい懐事情を自虐的に詠んだ「趣味読書 昔新刊 今図書館」をはじめ、サラリーマン視点で世相を風刺した数々の作品が選出された。

今回、全国から届いた応募総数は2万1455句。昨今の不況を嘆く「コスト下げ やる気も一緒に 下げられる」や世界的な金融危機を詠んだ「円下げて! ドル上げないで 株上げて!」など、政治・経済の話題を題材とした作品が多く入選している。

・第一生命広報部「サラリーマン川柳」
http://event.dai-ichi-life.co.jp/company/senryu/best100.html


サラリーマン川柳というのは、本来の川柳とも違う、もはや独自のジャンルと言ってもよいほどのブランドだと思います。
「今」をユーモアや皮肉まじりで表現しており、普段、川柳とは縁のない人でも関心を寄せております。

今回の入選作も、「今」を切り取ったものばかりですね。

・就職先 自宅警備と 言う息子

「自宅警備員」とはニート・引きこもりの事でして、2ちゃんねるとかで使われている言葉です。

・切れる奴 昔は賢人 今危険

アキバでの事件を連想させますね。
今年は量産型加藤がどんどん生産されており、ますます出歩くのが怖い世の中になりそうです。
案外、自宅警備員が長生きの秘訣になるかもしれません。

・趣味読書 昔新刊 今図書館

これは私のことですか?
けれど図書館は本当に便利なんですよね。
雑誌の類は、最新の情報が手に入りますが、次の号が出たら基本的にゴミ。
どんどん溜まるし、捨てるのにもお金がかかる時代です。
図書館で読んだり、借りたりした方が賢いと思います。
また、一つ気になった書籍を見つけたら、その棚にある関連書籍もまとめて借りられるのも図書館の良いところです。

・「作る、刷る」 書くとは言わない 年賀状

もう何年も前から、年賀状はパソコンとプリンタで作成するものになってしまいました。
確かに便利なんですよね。
早いし簡単。
過去の発送履歴も分かります。
けれど、あまりにも味気が無いので、必ず一言はペンで挨拶を書いています。

・節約と エコと貧乏 気持ち次第

これはある意味、生きるための処世術かもしれません。
どんな場面であっても前向きで、楽観的に考えられる人が最強なんだと思います。

ポジティブな感情とネガティブな感情は、よほどの人を除いて両立しません。
ネガティブな状態で次の出来事に遭遇すれば、やはりそこでもまたネガティブに判断し、そのように行動してしまうのです。
まさに負の連鎖。
しかし逆に、ポジティブな感情を維持して促進すれば、ネガティブな感情になる暇がないのです。

世の中は今まで、ネガティブな感情を無くそうとしたり、緩和したりすることに熱心過ぎました。
しかしこれからは、いかにポジティブな面を伸ばしていくかに力を注ぐべきです。
つまり、楽観主義者であれという事です。
一時流行った「鈍感力」とは違います。
私の中で「鈍感力」という変な文法の言葉は、「判断力の放棄」だと定義づけています。
つまり手放し、どうにでもなれ、時の流れに身を任せようというもの。
これは、本人だけが実践しているうちは良いのですが、周りの人にまで影響を及ぼす可能性があり、とてもじゃありませんがお勧めできません。

私の言う「楽観主義」というのは、むしろ「積極的な判断力」なのです。
昭和女子大学院の古川教授曰く、目標達成が不可能になったとき、あきらめる事が上手なのが楽観主義者なのだそうです。
実は悲観主義者の方が、不可能だと思われることをいつまでも努力し続ける傾向があります。

「あきらめる」という言葉にはマイナスイメージがありますが、決してそうではありません。
何か一つの新たな目標を決める事は、他の選択肢をあきらめているとも言えます。
ですから、あきらめることは、新たな一歩を前向きに考える面もあります。

楽観主義者は、自分でコントロールできないと判断すると、別の新しい目標を掲げて挑戦していくことができます。
そして、目標達成の可能性が少しでも見えると、楽観主義者はそう簡単にあきらめません。
たとえ困難な事が起きても、粘り強く目標達成に向けて努力できるのも、楽観主義者の特徴です。

悪者探しをしていては、このような精神になれません。
まずは相手の良いところを見てあげるのです。
それは宝探しのような重箱の隅をつっつくような作業ではありません。

臆病ではなく慎重。
神経質ではなく配慮が利く。
集中力がないのではなく気が回る。
太りすぎなのではなくかっぷくが良い。

そう、宝は目の前にあるのです。
見つけ出せるかどうかは、あなたの心の判断次第なのです。

さて、話しをサラリーマン川柳に戻します。
自虐的で、これもある意味「泣ける川柳」です。
先週末、クルマで仕事の移動中、川柳の投稿ラジオ番組を聞きました。
サラリーマン川柳的なユーモアと自虐的なものが多かったです。
そんな中、じわっと泣けてしまった川柳を紹介します。

・どちらさん そう言う度に 母をなで

高齢で痴呆症のお母さんを介護する子供のやさしい視線です。
やはり親子ものは、自分にシンクロさせてしまうと泣けてきますよね。
たった数文字の中に宇宙が広がっているのが川柳。
その宇宙の広がりを表現するためには、実は身近な素材が最適だったりします。
自分の生活を鈍感に過ごしていたのでは、それは発見できません。
否、目の前に見えているのに気付かないのです。
楽観主義で物事を良い方向に考える心が、その人を幸せにさせてくれる近道だと思います。

Posted by kanzaki at 2009年02月09日 22:09