2009年03月04日

今の時代に必要なのは管理職ではなく、いいリーダー

挽いたコーヒー豆を買ってきたら、どうも味が薄く感じました。
今までと同じ銘柄なのに・・・。
後日、店へ言って聞いてみたところ、プレンドしたコーヒー豆の中に、モカを入れなくなったからとの事でした。
モカは、独特の酸味と甘酸っぱい香りが特徴。
しかしここずっと、モカは日本に輸入されていないのです。
残留農薬が基準値を超えて検出されたためです。
これは残念ですが仕方がありません。

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さて、雑誌「PRESIDENT」を読んでいましたら、求められる人材になるための秘訣が紹介されていました。
年代別に紹介されていたのですが、20代・30代の私の世代は、修羅場・雑巾がけ・下積みをしましょうというもの。
それは分かっていますから、むしろこれから訪れる年代・40代前半の方がタメになりました。

この年代になると管理職に昇進する世代です。
雑誌に書いてあったアドバイスは、「管理職ではなく、リーダーになろう」というものでした。

管理職・・・・・・上から命じられてなるのが管理職
リーダー・・・・・下から担ぎ上げられてなるのがリーダー

管理職ならば、誰にでもなれる可能性があります。
しかし、リーダーは違います。
下からの人望や期待、目に見える実績がなくてはなれないからです。
自分の夢や目標を語る、オープンで有言実行タイプがリーダーに適任です。

今の時代、管理職が不要になりつつあります。
理由は、職場にコンピュータが導入されたことで、人が人を管理する必要性が急減したからです。
今の時代は、部下が成果を出せる環境をいかに作るかが重要になりました。
組織が階層型からネットワーク型へ移行しつつあるので、管理職からリーダーへの転換が必然なのです。

そして重要なのは、「権威では人は動かない」ということです。
リーダーは飲み会の幹事のようなもの。
メンバーに気持ちよく働いてもらうための場づくりに腐心すべきです。
メンバーを権威で引っ張ろうとせず、気持ちよく働いてもらえるように気を配る。
そうしていると組織は自然に最適な方向へ導かれていくのです。

30代は己の才気で通用しますが、40代になってさらに規模が大きい組織を任されたら、折に触れ、自分自身を謙虚に反省する態度を身につけるべきです。
「自分が会社で一番優秀」などと勘違いしている人は、得てして自分よりポジションが低い年上の人や、能力が劣っている人に対する態度が尊大になる傾向があります。
皆から総スカンをくらうような取り返しがつかなくなる前に、時には厳しく意見してくれる人を身近に置くことが大切です。

以上のような事が書かれていました。
上記は二人の方の意見をまとめて書いたのですが、両者ともに同じような事を言っているので、違和感がないですね。

大きな仕事をするには、何も自分自身が特殊な能力を身につける必要はありません。
各担当ごとに、それに秀でた人を登用すれば良いのですから。
しかしそれらの人達は、その分野では秀でていても、大きな組織の舵取りが出来る訳ではありません。
また、そういう秀でた人が能力を発揮する為には、やはりそれ相応の環境が必要です。
しかしその環境を自分自身で作り上げるのは難しいです。
大きな組織の中にいた方が、環境をつくってもらいやすいものです。
だからこそ、そこで管理職が必要になるのですね。

同じ雑誌の別のページにて、「スキルの陳腐化」というタイトルで書かれていた部分がありました。
今は小手先のスキルでレベルアップを図る時期ではなく、部下を持つマネジャー・クラスならSQ(社会性の知能指数)を磨くべきだと語っていました。

行動神経科学の最新の知見をもとにEQ(心の知能指数)を更に発展させたものがSQです。

今は上からの押し付けで組織を動かそうとしても限界があります。
「共感力」や「思いやり」が新しい要素として加わっています。
それらによって部下との良好な関係を構築できる能力、それがSQです。

この逆風の世の中、今は個人プレーよりも、組織の活性化を図るときです。
メンバー全員で知恵を出し合い、苦しんでいる人の分をみんなでカバーするというように一体感を醸成するのです。
企業は「個人・短期」で業績を評価する弊害に気付き始め、「組織・中長期」を重視する新しい成果主義へと評価軸を変えています。
組織が活性化するかどうかはリーダーの素質や姿勢にかかっています。

いいリーダーは、チーム内の不安感を取り除いた上で、ゼロペースから仕事のやり方を見直したり、新しい販売ルートを見出したりすることにエネルギーを費やします。
これはチームの一体感が強まり、景気回復期に猛ダッシュを見せるでしょう。

新しいやり方を見つけて方向性を示すことも大事ですが、「チーム内の不安感を取り除く」ことが、いいリーダーになるか悪いリーダーに落ちるかの分岐点になってきます。

SQの研究過程ではリーダーが口にする冗談の数と、その部署の業績に相関関係があることが分かっています。
ウケを狙う必要はありません。
明るく前向きな空気を作ればいいのです。

なんかあれですね。
バブル時代から最近までは、海外のなんかカッコいいスタイルがもてはやされていましたが、結局は昔ながらの家族経営的なものに回帰しているのでしょうかね。
強さから優しさへ・・・この厳しい世界状況は、組織のあり方を見つめなおす良い機会かもしれません。

Posted by kanzaki at 2009年03月04日 22:33