2009年11月08日

カレーハウスCoCo壱番屋〜なぜカレーの値段が高くても売れるのか?

●カレーハウスCoCo壱番屋
http://www.ichibanya.co.jp/

●壱番屋 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%B1%E7%95%AA%E5%B1%8B

株式会社壱番屋(いちばんや)は、「カレーハウス CoCo壱番屋」を運営する日本のカレー専門店チェーン最大手である。本社は愛知県一宮市。2005年5月2日より東京証券取引所第一部・名古屋証券取引所第一部上場(銘柄コード7630)。フランチャイズにより日本各地や米国ハワイ州、台湾、中国、韓国などに店舗を持つ。ココイチと略して呼ばれる。

●「金沢カレー」の人気急上昇 ダントツ「壱番屋」を追う
http://www.j-cast.com/2009/10/21052222.html


今日はカレー屋の話し。
雑誌「PRESIDENT」に、創業者特別顧問の宗次徳二さんの話しが書かれていました。

この方が目指したカレー屋というのは、町の食堂。
普通の味であればよい。
ただし、お客様に熱々のカレーを提供する事を大切にしてきました。

CoCo壱番屋のカレーは27人前の大鍋で70度から80度に保温しておき、お客様からオーダーが入ったら、一人前ずつ小鍋で再加熱し温めます。
沸騰させるとカレーの香りが飛んでしまうので、直前で小鍋を火から下ろします。
また、皿もウォーマーで温めておきます(創業者は喫茶店の店主からスタートしたので、コーヒーを出すときにカップを温めるのと同じ事をしている)。

ライバル店の視察はせず、自分自身で現場へ赴き、厳しくチェックをしていました。
接客が売り上げに影響すると考え、そこを重点的にチェック。

そして、働いているスタッフの数も気にしていました。
そして「ゆとりシフト」を組めと指導していました。
お客様が入ってきた瞬間に「いらっしゃいませ」と言えない様な従業員の配置では駄目だからです。
飲食店は、値下げやこだわりの味を出すよりも、基本的なサービスをきちんと守らなくてはいけないと考えているからです。

お客様の感情を掴めば、それに対応したサービスが出来る。
その為、毎日必ず、アンケート葉書に目を通していました。
お褒めの言葉より、お叱りの言葉に注目し、その苦情のあった店に「至急、善処してください」と書き込んでFAXをしていました。
クレームに対して素早く真心で対応すれば、大抵のお客様は許してくれますが、放って置けば、二度と来てくれません。
そういった苦情をまとめ、全店に配って注意喚起もしています。

彼は現役時代、趣味も持たず、友人も作らず、毎日仕事をしていました。
そうやって率先しないと部下は働いてくれないと思ったからだそうです。

以上、ざっとご紹介しました。

新潟市は最近、インド人の人達が作っているカレー屋が増え始めています。
やはりそれなりに拘りのある味を提供していると思います。
そういうお店のカレーならば、自宅で作るカレーとは差別化できますから、商売としても成り立つなあと素人考えではありますが、そう思います。

しかし、なんでCoCo壱番屋のようなカレーのチェーン店が、至るところにあるのか不思議に思っていました。
一度だけ食べた事があるのですが、店内はファミレス然としており個性がある訳じゃない。
メニューを見ても、肉や野菜等のいろんな具材が一度にたくさん入っているような普通のカレーは見当たらない(その時は、期間限定メニューで一つだけあった)。
大抵、一皿に具は一種類だけしかなくて、何度も来ないと一通りのカレーが食べられない。
しかも具が違うだけで、ルーの辛さは変えられても、基本の味は一つ。
更に、なんだかんだで色々と頼むと、値段がめちゃくちゃ高い。
こんなんで経営が成り立っているのが不思議でなりませんでした。

確かに現在、チェーン店にこだわりの味、必要以上の味を求める人はそうそういないでしょう。
また、カレーという食べ物は、適当に作っても最低ライン以上の味にはなります。
よほどインド風とか特殊な味にしなければ、だれでも作れます。
それで安ければ納得いくのですが、CoCo壱番屋は値段も高い。
ユニクロや餃子の王将みたいに、安さも戦略の一つの店とは違います。

ブランド力、味、値段・・・どれをとっても勝利の秘密は見当たらない。
そう思っていたら、要因は接客だったのですね。
確かに一度行った時、どの店員さんも笑顔で明るく接客していました(高校生ぐらいの若い女の子ですら)。
非常に感じが良かったのを覚えています。
だからと言って、私はわざわざ普通のカレーを何度も食べに行きたいとは思いませんが、全国展開しているチェーン店にとって、接客を売りにすると言うのは強みかもしれない。

ブランド力・・・例えば、スターバックスは当初、女性達にプレミア感を感じてもらえて人気でしたが、今じゃジャスコの中にですらあるので、人気は下降気味。

しかし、気持ちの良い接客、店員の笑顔で気分を悪くするお客はいません。
むしろ、味以上に印象に残るかも。
接客なんて当たり前すぎて、多くの経営者が忘れていたものをCoCo壱番屋はずっと維持し続けていたのですね。

どんな風に接客に関して教育をしているのか、非常に興味がわきましたよ。

Posted by kanzaki at 2009年11月08日 22:46