新潟市は大雪続き。
早起きして自宅の除雪、出社して会社でも除雪。
更にとなりの会社や、子供たちの通学歩道の除雪も行ったりしていると、2、3時間なんてあっという間です。
普通に生活するだけでも疲れる日々です。
早く雪がやんでくれないかなあ・・・。
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前回の続きです。
●NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【2・身元不明の死】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002016.html
ごく当たり前の生活をしてきた人がひとつ、またひとつ繋がりを失い、一人孤独に死んでいった姿が見えてきました。
3万2千人の無縁死。
取材をしていくと、家族がいるのに引き取られないケースが多いことが分かってきました。
●薄れる家族とのつながり/無縁死3万2千人
今、無縁死の現場で、かつてない新たなビジネスが生まれています。
「特殊清掃業者」・・・自治体等の依頼で家族に代わって遺品の整理をする清掃業者です。
僅か数年で、三十社あまりにもなりました。
清掃業者が作業をしている場所へ訪れた取材班。
取材した部屋には、息子が引き取らなかった両親の遺骨が残されていました。
業者は、宅配便でこうした遺骨を引き取る寺へ送っていました(ゆうパックで送付)。
遺骨の行き先は富山県高岡市にある大法寺。
おととし、全国から行き場の無い遺骨の引取りをはじめました。
この寺にある納骨堂にて、遺骨に対して念仏を唱えるお坊さんたち。
多くは家族に引き取られなかった遺骨です。
都市部から届く遺骨が多いそうです。
大法寺の住職 栗原啓允さんは語ります。
「私たちだって、人生一つ間違えれば、一つだって歯車が狂えば、独居老人になって、孤独死するかもしれない。
決して、我々と違った人生を歩んだ人達じゃない。
みんなちゃんとした一生がある。
子供も持っていたかもしれない。
きちんと一人前に育てたのかもしれない。
生まれたことで親を喜ばせたかもしれない。
みんなそれぞれの一生があるのに、ただ人生の終盤で孤立して全くどこに埋葬されたのか、その人の痕跡が残らないという不条理。
そういうものがおかしいと思うのです」
家族の繋がりが薄れる中で無縁死が起きているのではないか。
取材班は、去年4月に亡くなった一人暮らしの男性の死を追いました。
亡くなっていた常山善治さん(享年55)は、かつてタクシーの運転手をしていました。
市役所が親族を探したものの、誰にも引き取られませんでした。
その後、常山さんの遺体は、新潟の病院へ送られていました。
新潟にある新潟大学医歯学総合病院です(私も、親知らずの抜歯の為に行ったことがあります)。
この大学病院では、学生が実習で扱う献体が不足していました。
常山さんの遺体は親族の承諾を得て、ここに送られていました。
取材班は、常山さんの親族を訪ねました。
まず、市役所から連絡を受けていた叔父と会うことが出きました。
叔父は常山さんと長年、疎遠でした。
それでも常山さんを供養しようと戒名をつけていました。
しかし名字が違うため、墓に入れなかったのです。
叔父によりますと、遺骨は自分のうちの墓と混ぜられず難しい。
急に墓も作れない。
仕方がないと声を弱らせていました。
常山さんの献体承諾書。
承諾のサインをしていたのは、お兄さんでした。
取材班は富山県にいる兄を訪ね、事情を聞くことにしました。
兄はこう話しました。
「両親が死んだ後、兄弟は疎遠になり、弟とは10年以上連絡もとっていなかった。
自分も生活に余裕が無く、弟は病院の無縁墓地に埋葬して欲しいと頼んだ」
家族でさえ繋がりが薄れ、関わりあいを持たない時代。
そのなかで無縁死は起きていました。
新潟大学医歯学総合病院内にある慰安室。
そこの壁には巨大な金属の扉が幾つもあります(料理屋の業務用の冷蔵庫みたいな感じ)。
そこに「献体番号683♂」と手書きされた札があります。
常山さんは、ここに安置されています。
3万2千人の無縁死。
取材を進めて行く中で、無縁死は将来、更に拡大する兆しがあることが分かってきました。
今、頼れる家族たちがいない人達が、NPOの窓口に殺到しています。
家族に代わり、亡くなった後の手続きを行うNPOがここ数年、相次いで設立されています。
死後の葬儀や納骨、遺品整理等をしてもらう生前契約を結び、入会金を納めます。
生活にある程度余裕のある人達でも、一人暮らしに不安を抱えてやってきます。
取材したNPOは、設立から8年。
年々会員は増え、今年は四千人近くまでになりました。
最近では、定年退職前の50代で入会を決める人もいます。
取材班は、50代で入会した一人の男性に会うことにしました。
(続く)
結婚をしたり、親族がいる事のメリットの一つは、本人が死んだ後の整理をやってもらえることです。
メリットでもあり、安心でもある。
自分という存在を記憶という形、またはお墓や葬儀等の形で残してもらえる安心。
しかし今では、結婚したからと言って、葬儀や遺骨の引き取りをしない遺族もいるのですね。
人間関係の希薄さは、他人との接点もそうですが、身内同士ですら進んでいるのです。
経済環境の悪化も不安ですが、それ以上にこちらが深刻です。
人間という生き物の意味はなんなのでしょうかねえ。
●次回の記事: NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【4・会社とのつながりを失った人々】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002018.html
*NHKスペシャル無縁社会(全6回)
●神崎のナナメ読み: NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【1・行旅死亡人(こうりょしぼうにん)とは】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002015.html
●神崎のナナメ読み: NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【2・身元不明の死】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002016.html
●神崎のナナメ読み: NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【3・薄れる家族とのつながり】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002017.html
●神崎のナナメ読み: NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【4・会社とのつながりを失った人々】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002018.html
●神崎のナナメ読み: NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【5・"生涯未婚"の急増】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002019.html
●神崎のナナメ読み: NHKスペシャル無縁社会〜“無縁死(むえんし)”3万2千人の衝撃〜【6・希望の光】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002020.html
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