2010年04月28日

特集・神ナナインタビュー「イラストレーター・山田ナツミさん」【その2】

前回の続きです。


●前回の記事: 特集・神ナナインタビュー「イラストレーター・山田ナツミさん」【その1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002071.html


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(2)イラストレーターという職業について

◎商業イラストレーションとは

山田ナツミさんの職業はイラストレーターです。
現在、フェルトを使った料理のような立体ものを創作活動で行い、平面・二次元的なものは仕事として描いています。

「商業イラストレーション」として、新聞社、デザイン会社等から依頼を受けて、主に似顔絵を描いているそうです。
直接、依頼主から依頼を受けるのではなく、出版社や印刷会社経由で依頼がある事の方が多いとの事。

商業イラストは基本的に、イラストレーター自身の個性を活かしたものではありません。
依頼主の要望に沿ったものを描くのが仕事です。
「自分じゃなくても出来る仕事」と、かえって割り切って仕事に臨めるそうです。
個展用の作品を作るクリエイターという立場ではなく、お仕事だと気持ちを切り替えて臨むからこそ、依頼主が満足出来るものを生み出せるのでしょうね。

彼女の商業イラストレーションは、制作が早いのが特徴です。
これは、仕事としてのイラストレーターとしては、非常に強い武器ですよね。


◎仕事が早い

JAM日本アニメ・マンガ専門学校にて学んでいた頃のエピソードとして、このような事があったそうです。
学校ではインターンシップもカリキュラムの一つとしてありました。
インターンシップとは学生が一定期間、企業等の中で研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行える制度の事です。
既に学生の時から、絵を仕事として捉え、社会と接していた訳ですね。

最初のインターンシップは、JRA新潟競馬場の公園にて、子供達のイラストを描くことでした。
競馬場の公式サイトを見ると分かるのですが、スタンド周辺には、ミニ新幹線やゴーカート等もあり家族連れが楽しめる公園・広場になっています。

この場所にて、子供達を相手に似顔絵を描いてあげるお仕事をしました。
はじめての仕事ですから、とても緊張したでしょうと聞いたところ、むしろ逆だったそうです。
一人を描いている間に、後ろにどんどんお客さん達が並びます。
その様子をみると、緊張どころか、かえってテンションが高くなり、ペンを持つ手もとてもよく動いたそうです。
一人(一枚)あたり、5分から10分で描きます。
下書きはペンで行い、パステル等で色付けをするそうです。
初対面の人を相手に、すぐさま特徴を捉えてイラストを描くのは、天性なんでしょうね。
この時、似顔絵を一日で65枚も描き、今だにその記録は破られていないそうです。


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※キノコとベーコンのキッシュ


◎イラストの描き方

現在、お仕事としてイラストを描く際、人の顔を描く事が多いそうです。
例えば、とある企業の名刺に入れるその社員のイラスト等です。

この名刺に描くイラストの描き方を教えていただきました。
イラストは、紙に描きません。
全てパソコン上で行います。
Adobe(アドビ)のグラフィックデザインソフトウェア「Illustrator(イラストレーター)」を使用します。
私はてっきり、パソコンの周辺機器であるペンタブレットを使うのかと思っていました。
しかし実際は違いまして、なんとマウスを使って描くそうです。
イラストレーター上でマウスを使って描く線と、独特な線が描けるとか。
我々がエクセルやワードのようなソフトで操作するマウスさばきとは、ちょっと違うようです。
以前は、紙に描いたものをスキャナで取り込み、それを元にパソコン上で描いていました。
しかし今では、ディスプレイを見ながらパソコン上で最初から描いているそうです。

私はイラストレーターの方というのは、同じAdobe(アドビ)のソフトでも、Photoshop(フォトショップ)を使っているのかと思っていました。
山田さんに聞いたところ、フォトショップは主に、写真の編集加工が中心のソフトだそうです。
その編集加工の延長線上にイラスト等の絵を扱えるというスタンス。
一方、イラストレーターは、3D表現や逆に線の少ないものなど描くのに向いているそうです。

仕事および創作活動の場は、自宅の自室です。
今でも、学生時代に使っていた学習机を使用しているそうです。
理由は、色々と収納出来て機能的だからです。

同世代の子達とは、あまり仕事で関わり合いは少ないそうです。
むしろ年代が上の人達との方が、やりとりが多いとか。
インタビューの最中、終始礼儀正しく、それでいてちゃんと若さも感じられるのは、仕事の環境のおかげなのかもしれませんね。


◎仕事で困ったこと

仕事上、依頼主の顔をイラスト化する事が多いわけですが、困ったこともあったそうです。
時は遡ってインターンシップ時代の事。
依頼主の写っている写真を受け取り、それを元に似顔絵を描きました。
写真を元にうまくイラス化出来たのですが、実際に依頼主に会ってみると、写真とは随分と違う雰囲気だったそうです。
人は、その時の気分や体調、それと写真の撮られ方によって雰囲気が変わるものですよね。
それ以降、自分が直接相手とやりとりをする場合は、一番本人の印象に近い写真を複数枚借りることにしているそうです。


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※サーモンのムニエル


◎東京進出は?

私の想像するイラストレーターという職業は、地方都市より東京で行った方が仕事も多いのではないかと思っていました。
ですので、東京進出はあるのかと聞いたのですが、特に考えていないそうです。
逆に、新潟を出る必要性を感じていないとの事。
今まで、良いタイミングで定期的に仕事があったそうです。
おそらく、山田さんの人柄の良さが、仕事を呼び込んでいるのだと私は思いますよ。

【続く】


次回の記事: 特集・神ナナインタビュー「イラストレーター・山田ナツミさん」【その3】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002073.html


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山田ナツミさん関連記事(下へ行くほど最新記事です)


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Posted by kanzaki at 2010年04月28日 23:18