2010年12月27日

「相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」を観た感想(ネタバレ注意)【1】

●公式サイト「相棒-劇場版-」
http://www.aibou-movie.jp/


現在放映中の「相棒season9」は毎週20%前後の高視聴率を維持しております。
そんな人気ドラマの映画化第二弾です。


●神崎のナナメ読み: 「相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」の感想(ネタバレ無し編)
http://kanzaki.sub.jp/archives/001651.html

●神崎のナナメ読み: 「相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」の感想(ネタバレあり編)
http://kanzaki.sub.jp/archives/001652.html


前回の映画は、はじめて「相棒」を体験する人でも分かるようにしていたと思います。
また、大勢のエキストラ、派手な爆発など、映画ならではのお祭りという感じもありました。
この映画を観なくても、その後のテレビ版の視聴に影響がありません。

通常、テレビドラマ・テレビアニメの劇場版と言いますと、テレビ版とは別枠の「外伝」的なものを上映します。
しかし最近は、テレビでオンエアされたストーリーの結末を映画で上映する等、テレビと映画が密接的な関係にあるものが多いです。

今回の劇場版・第二弾は、完全にドラマ版を視聴し続けてきた人達だけを相手にした内容となっています。
映画の結末が、今後のドラマに影響を与えるからです。
ドラマと密接な関係にある為か、第一弾のような浮き足立ったお祭り気分はありません。
むしろ、トーンは低め。
見た後に引きずりますよ。
相棒は、後味の悪いエピソードを定期的にやりますし、それも持ち味なのですが、大画面でそれをやられると、物凄く引きずりますよ。
でも、映画を一回だけではなく二回、三回と観るならば、間違いなく第一弾より第二弾です。

テレビドラマ版は、青いフィルターをしたような画面が多く用いられています(俗に言う「相棒ブルー」)。
今回の劇場版もそれを踏襲していますが、映画は全体的にフィルムっぽい艶消しの映像の為、物凄く暗い感じになっております(注:今回の作品は、フィルムで撮影してません。記録メディアに動画ファイルデータとして直接記録しています)。
今回のストーリーは暗く重い内容ですので、この映像はあっていると思いました。

今回のストーリーの一番重要なところは、ドラマ版には欠かせないキャラクターであった「小野田公顕(警察庁官房室長・警視監)演:岸部一徳」がナイフで刺されて殺されることです。
キャッチコピーに「この事件、特命係にとって致命傷。」とありますが、正にこの事。
特命係が独立愚連隊として動き回れたのは、小野田がいたからです。
時には敵対しつつも、なんだかんだで特命係にはいなくてはならない存在でした。

「相棒season9」の先週のエピソードが、この劇場版の前のエピソード。
それ以外は、劇場版の後のお話しです。
今シーズン、小野田がまったく登場しないのは、岸部さんが「医龍掘廚暴弍蕕靴討い襪らだけではなく、殺されてしまっていたからでした。
多分、相棒ファンは皆、うすうす気づいていたと思います。
そして、劇場版で殺されたように見せかけておいて、実はseason9の最後のエピソードで再び登場するのではと期待していたと思います。
しかし、劇場版の最後で葬儀を行っていますから、どうやらその期待は打ち砕かれたようです。
season9の最終エピソードは、昨年のSeason8の第1話「カナリアの娘(ゲスト・内山理名、古谷一行)」の続きという噂ですし、復活は無理なのでしょう。
今回の劇場版のラストは、完全解決出来なかった事件を最後まで追い詰めようと決意する右京の姿で終わります。
その完全解決をseason9の最終エピソードでやると思ったのですが、さすがにそれをやってしまうと、劇場版を見ていない人にはチンプンカンプンなストーリーになってしまうから難しいのかなと。

けれど今後、小野田がいなくなり、どうなってしまうのでしょうかね。
後ろ盾となる人がいなくなりましたし。
新キャラである「金子文郎(警察庁長官)演:宇津井健」がその代わりなのでしょうか。
しかし、権力と言う意味では後ろ盾してくれるかもしれませんが、全く魅力を感じ無いキャラでした。
小野田の高身長と目付き、ひょうひょうとした口調。
憎まれっ子のようで、視聴者からは愛されるキャラ。

杉下右京の相棒として、亀山薫から神戸尊へ代わる事は出来ても、小野田の代わりはなかなかいません。
キャラクターとしても、役者としても、同じだけのオーラを持つ人はなかなか見つからないでしょう。
相棒のスタッフは、常にマンネリ打破を狙っていますから、勝算があっての事でしょう。
しかし、かなりのリスクですよね。
それ故、シーズン後半の展開に期待したいと思います。

私はシネコンで観たのですが、相棒を上映しているスクリーンの前の通路に張ってあったポスターは、杉下と神戸ではなく、小野田と杉下のツーショットでした。
これが、凄くいいんですよ。
もの凄くダークで重い感じで圧倒されます。
全くストーリーに関係の無いキャラをポスターにする訳がありませんから、観客は既に「この映画は小野田追悼作品」なんだと予感したことでしょう。

そういや、相棒の主要キャラクターで「殉職」は小野田が初になりますよね?
亀山すら、殉職というのはありきたり過ぎると採用しなかったのに、ここで殉職という「二度と引き返せない方法」を採用したのですから、スタッフの決意も相当なものだったと思います。

※※

映画冒頭のタイトルですが、予告のような豪華なロゴやサブタイトルは使用していませんでした。
テレビよりもシンプル。
それどころか「劇場版II」という言葉もなく「相棒」のみ。
出だしから暗いトーンでした。
最初から、お祭り気分はありません。

うれしかったのは、エンディングのBGM。
テレビドラマ版でよく使われている曲でした(タイトルは分かりません)。
劇場版オリジナルではなく、テレビと同じものを使っているので、ますますテレビと映画に壁を感じません。

映画の全体的なイメージは、「そんなに予算はかけていないよね?」と思いました。
フィリピンで撮影した船の爆破シーンをCGではなく、本当にやったところぐらいしかお金をかけた部分が分かりません。
杉下がロープで警視庁ビルの壁を降りていくシーン等は合成をしているそうですが、それだってめちゃくちゃお金がかかっているとは思えません。
どちらも、お金をもっとかけないでも何とかなるもの。
過去の2時間スペシャルエピソード「バベルの塔」と、予算的には同じだと言われても不思議ではありません(このエピソードのCGは、日本で一番のCGを作る"白組"が担当)。

サブタイトルが「警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」とありますから、てっきり「バベルの塔」のように、警視庁篭城事件が解決されるまでのお話しだと思っていました。
夜に事件が起こり、朝方に解決するみたいな。

しかし、この篭城事件は30分もなかったんじゃないでしょうか。
犯人射殺によって、あっさり解決してしまいます。
そこからある意味、本編が始まるのですが、それ以降は映画ならではの大掛かりなセット、爆発は一切ありません。
それこそ、TVドラマと同じと言ってもいい。
大ヒットしているようなのですが、制作費を抑えているならば、相当な利益になりそうです。
けれどある意味、テレビドラマの延長線的な雰囲気だからこそ、浮かれた感じもしないし、TVドラマと同じ空気がこの映画にも流れていて違和感がないのかもしれません。
ファンはむしろ、それを望んでいるかも。

(続く)

●次回の記事: 「相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」を観た感想(ネタバレ注意)【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002247.html

※※※

【関連記事】

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Posted by kanzaki at 2010年12月27日 21:51