2011年05月01日

奇祭「一人角力(ひとりずもう)」とは〜精霊と力士が相撲をとって豊作を占う祭り

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※A mirror world〜The Fukushimagata Lagoon(福島潟で撮影)

作家・杉岡幸徳(すぎおかこうとく)さんのコラムにて、全国各地の変わったお祭りを紹介していました。

今回ご紹介するのは「一人角力(ひとりずもう)」というお祭りです。
名前のとおり、一人で相撲をとるのです!

●20100616大山祇神社 御田植祭3 (一人角力)


・一人角力
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B1%B1%E7%A5%87%E7%A5%9E%E7%A4%BE#.E4.B8.80.E4.BA.BA.E8.A7.92.E5.8A.9B

毎年春の御田植祭(旧暦5月5日)と秋の抜穂祭(旧暦9月9日)において、大山祇神社の御淺敷殿と神饌田の間に設けられた土俵で行われる相撲神事である。「稲の精霊」と「一力山」による三本勝負で行われ、稲の精霊が2勝1敗で勝つ。「すもう」は一般に「相撲」の字を当てるが、ここでは、相撲を含めた広義の力くらべである「角力」の文字を用いて一般の相撲とは違うこと、神との力くらべを表すとされる。


愛媛県の大三島(おおみしま)にある大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)で行われる祭りです。
神社の境内に土俵が設置され、そこに行司と力士が登場。
しかし力士は一人だけです。

行司は拝殿のほうに軍配を向け、「かたや、精霊(せいれい)〜」と叫びます。
そちらには誰もいません。

次に「こなた、一力山(いちりきざん)〜」と、一人の力士に向けて叫びます。

「見合って見合って。はっけいよ〜い、のこった」

相撲が始まるのですが力士は一人だけ。
力士は見えない相手と必死になって、相撲をとり続けます。

これは「稲の精霊」と相撲をとっているという設定です。
稲の精霊が勝つと豊作が約束されるのです。
3番勝負で、必ず毎年2勝1敗で稲の精霊が勝つ事になっています。

700年も前から行われている、いわば「エアー相撲」。
豊作を祈る為に、相撲を使うというのが面白いですね。

全国にはこうした変わったお祭りが幾つもあるそうです。
皆さんのお住まいの地域にも、変わった風習のお祭りがあったら教えてくださいね。
撮影しに行きたいです。

【お祭りデータ】

・一人角力(ひとりずもう)
愛媛県今治市(いまばりし)。
常人の目には、一人で相撲をとっているようにしか見えない。
春の御田植(おたうえ)祭と秋の抜穂(ぬきほ)祭の際に奉納される。
2011年春の開催は6月6日、12時30分より。

・大山祇神社
拝観無料。
日の出から17時迄。
宝物館は8時30分から16時30分。
無休。
入館料1,000円。
愛媛県今治市大三島町宮浦3327番地

Posted by kanzaki at 2011年05月01日 23:05