2011年07月19日

三条カレーラーメン大好き! 新潟大学教授 田村 秀さん〜B級グルメで街に活気を

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※新潟県三条市「大衆食堂正広」のカレーラーメン(750円)。iPhoneで撮影。
三条のカレーラーメンは、田村教授のお気に入りです。

本日は、新潟県で活躍されている方をご紹介します。
新潟大学教授 田村 秀さん(48)です。

●田村 秀(たむら・しげる)さんのプロフィール:
1962年、東京都生まれ。
東京大学卒業後、旧自治省入省。
三重県財政課長、自治大学校教授などを経て、2001年から新潟大学法学部助教授。
2007年に教授、今年から副学部長。
2008年に「B級グルメが地方を救う」を出版。

・Amazon.co.jp: B級グルメが地方を救う (集英社新書): 田村 秀: 本
http://amazon.jp/dp/4087204626/

本日、地元新聞紙の夕刊にインタビューが掲載されていました。

・B級グルメの本を書いたり、BSN水曜見ナイトのコメンテーターなどを務めているので、食分野の専門家みたいに思われがちですが、本当は、地方自治や街づくり、公共政策の研究者です。

・もともとは自治省の役人でした。
客員助教授として大学で講義をしたり、イギリスに留学して地方自治制度の研究をしていました。
やがて、霞が関より研究職に向いていると思い、2001年に40歳を前にして、新潟大学の助教授へ転身しました。

・新潟に来て、食に関心が高まり、食を通じた地域おこしを考えています。
新潟は、地酒、米、魚、山菜など、美味しいものが豊富で危機感が無いが故に、県外へのPRが不足していると感じているそうです。

・役人時代、ふるさと創生事業や地方債の仕事を手がけてきたそうです。
全国どこの駅前へ行っても、同じようなつくりです。
画一的なハコモノ開発が果たして良かったのか、今も考えてしまうそうです。

・庶民が愛してきたB級グルメは、その街の看板。
個性的で他人任せではない、地域おこしの核になり得る存在です。

・新潟が食による観光の地域間競争に勝つには、4番バッター(地酒、米、魚、山菜)だけでは駄目。
つなぎ役、時にはいぶし銀の活躍をするB級グルメが重要と力説します。

・似たような風景が並ぶ街づくりもそう。
田村教授がB級グルメにこだわるのは、画一的な開発へのアンチテーゼなのかもしれないと語っていました。

・田村教授のお気に入りB級グルメは、新潟県三条市にある「カレーラーメン」です。
40軒以上を食べ歩き、カレーラーメンのマップ作りのお手伝いもされました。
「カレーラーメン」がどのようなものかは、下記の記事をご参照ください。

●神崎のナナメ読み: 「三条カレーラーメン」とは〜新潟県三条市にあるご当地B級グルメ
http://kanzaki.sub.jp/archives/002345.html

※※※

新潟県民にとって田村教授は、B級グルメを通した街づくりをアピールしている人として認知度がとても高いです。

単に、どこかのお店で美味しい料理をヒットさせるだけじゃ駄目。
その地域共通の料理を通して、街に活気が溢れ、人と人との繋がりが強くなることを望んでいる方だと、私は思っています。

料理人の視線からB級グルメを考えると、どうしても自分のお店の繁盛が優先になります。
商売ですから、オーナーとしては当然のことです。

田村教授は、街づくりという一つ大きな視線でB級グルメを考えています。
だからこそ、客観的に考えられるだと思います。

以前、神ナナでこんな事を書きました。

『街が元気になるには、若者、ばか者、よそ者の力が大切』

●若者達が自分達で考えて、社会貢献してほしい〜ドキュメンタリー映画「マジでガチなボランティア」
http://kanzaki.sub.jp/archives/002239.html

モニュメントのような、変な新規作成は無意味。
街の活性化には、昔からその街にあるものを利用するのが良い。
けれど、その街にあるのが当たり前過ぎて、価値が見いだせない事が多いものです。
そんな時、『若者、ばか者、よそ者』などのカンフル剤が必要なんでしょうね。

田村教授のような人が新潟にいて良かったと思います。
これからも様々な形で、新潟人へ良い提案をしてくれることを期待しています。

※※※

【関連記事】

●その土地ならではの新しい料理の作り方(温泉地の名物料理、B級グルメ作成)【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002177.html

●その土地ならではの新しい料理の作り方(温泉地の名物料理、B級グルメ作成)【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002178.html

●「犬と鬼」〜東洋文化研究科のアレックス・カーさんが語る観光まちづくり【1】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002206.html

●「犬と鬼」〜東洋文化研究科のアレックス・カーさんが語る観光まちづくり【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002207.html

Posted by kanzaki at 2011年07月19日 21:57