2011年11月15日

プロボノとは?〜二枚目の名刺を持って社会貢献をする人が増えています

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(私の住むこの街にも、社会貢献や自己実現を望む人は多いことでしょう)

最近、名刺を二種類持つ社会人が増えています(NIKKEIプラス1より)。

二種類用意している理由は、二通りあります。

(1)ボランティア用:
・・・本業以外に、ボランティア活動・社会貢献活動用に用意している人

(2)自己アピール用:
・・・本業以外での自分の才能をアピールしたり、自己実現のために用意している人

私自身も名刺を二種類用意している一人です。

(1)ボランティア用:

自分の専門知識を活用して社会貢献することを「プロボノ」と言います。
「pro bono publico」を略した英単語です。

ボランティアというのは、主に「時間(単純労力)」を提供する事をさす場合が多いです。
それに対してプロボノは、その人が自分の職業を通じて身につけた「職能」を提供します。

アメリカですと弁護士は、年間50時間以上のプロボノ活動をすべきと方針を示しています。
会計士、コンサルタントなども同様に、無償でNPOの法律・会計・経営の相談などを行ったりしています。

それじゃあ、一般の会社員は駄目なのかと言えばそんな事はありません。
営業、調査、企画、総務、人事、広報、IT・システムなど。
どれもが実際に携わった人でなければ分からない専門知識、人脈があるものです。

欧米では当たり前なんだそうですが、日本ではまだまだですよね。
しかし、東日本大震災などを通し、ボランティア・社会貢献をしたいと思う人が増えてきました。

リーダーの指示に従い、肉体労働を通してボランティアをするのも立派な事です。
特に東日本大震災では、津波による泥・瓦礫の撤去は、人の数が多ければ多いほど処理が進みましたからね。

それとは別に、仕事を通して積み重ねてきた専門スキルで社会貢献できるならば、それも素晴らしいことです。
専門知識の提供は、社会貢献の質を高めるからです。

日本でも、「プロボノ」を積極的に広めようとしているNPO法人があります。

●サービスグラント - スキルを生かしたボランティア「プロボノ」を始めよう - do it pro bono.
http://servicegrant.or.jp/

●NPO法人 二枚目の名刺
http://nimaime.com/

こういった社外で活動をすることに対し、会社側もプラスと捉えているところが多いようです。
別の場所で収入を得ているわけではなく、あくまでも社会貢献。
しかも、勤め先でのスキルが役に立っているのですから。
社外活動で、外の変化に敏感となり、新しい発想を得られるかもしれない。
また、様々な人達との交流は、管理職としての能力アップにも繋がります。

(2)自己アピール用:

仕事をしていると、会社の名刺を持っているものです。
以前ならば、「自分の人生=会社」でした。
だから、その名刺が自分の証みたいなものでした。

しかし、年功序列も崩れ、収入増も期待できない現在。
自分が何者なのか、自分の所属している社名以外でアピールしたいという思いが強まっています。
別の自分を表現する有力な手段として、もう一つの名刺が使われているのです。

例えば、歌手だったり、芸術家だったり、会社以外の別の自分です。
国家資格でも無い限り、それを名乗るのに資格・条件はありません。
志した瞬間から、それを名乗っても良いのです。
立場が人を成長させるという事もありますしね。
遠慮することはありません。
二枚目の名刺に、堂々と肩書きを書いてください。

勤め先を確保しながら自己実現を目指すのは、この不景気な状況では、非常に有効です。
それに、例えば会社員をやっているからこそ、色んな経験を通して、多くの人達に共感してもらえる歌詞や絵を描く事が出来たりしますしね。

※※※

Twitterなどのソーシャルネットワーク上のハンドルネームが書かれた名刺を所有する人達も多いですよね。
そういった方々の名刺は、板ガムのような形状のものを使用しています。
これだって、会社とは離れた場所での、自己アピール・異業種交流です。

会社とは離れたところで活動する際、会社名の入っていない名刺を持っていると便利ですよ。
お互い、会社のネームバリューとか役職で相手を判断しませんから。

私も会社の名刺以外に、カメラマンやブロガーとしての名刺を持っています。
名前を覚えてもらったり、連絡用に便利ですから。
本業以外の二枚目の名刺は、別に決まった書式がある訳じゃありません。
その時その時で変化しています。
最近も、新しい名刺を作ったばかりです。

私の二枚目の名刺は、冒頭の(1)と(2)を兼ねたものです。
少なくとも、この二枚目の名刺を所有してから、自分の活動の幅が広くなったし、交流も増えました。
これは自分にとって、非常に良かったと思っています。

日本人は、自分で自分をプレゼンするのが苦手です。
口で言うのが苦手ならば、名刺やブログ、Twitterなどでアピールするのも良いと思います。
相手に自分を知ってもらうことで、自分の知識・才能が、他の人達へ役立つきっかけになるかもしれませんしね。

最近は、パソコンとプリンタで、簡単にオリジナルの名刺を作ることが出来ます。
言わなきゃ伝わらないこともあります。
試しに、本業以外の名刺を作ってみてはいかがでしょうか?

よくよく考えてみれば私の周りには、本業をしながら芸術家として活躍している人や、地域活性化・街づくりで頑張っている人達が大勢います。
勿論、冒頭で書いたような「二枚目の名刺」を持っています。

みなさん、優しくて、エネルギッシュです。
誰かに喜んでもらいたいと思っている人達なので、それが表情にもあらわれており、とても若く見えます。
不思議と、皆さんが色んな縁で繋がっているのも興味深いです。

アメリカのセレブ雑誌でも、「社会貢献」が当たり前に特集される時代。
日本にだって出来ないわけがありません。
日本特有の「人情」がある限り大丈夫。

無縁社会とか孤独病とか、いろいろと言われているけれど、過渡期なのかもしれません。
社会貢献でも、自己実現でもいい。
どちらも、社会と新たな接点を持つことになりますからね。
二枚目の名刺を持つのが当たり前になってくれば、それは社会が一歩成長した証なのかもしれません。

Posted by kanzaki at 2011年11月15日 21:43