2011年11月17日

ある分だけで暮らす

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エッセイスト・岸本葉子さん(1961年生まれ)のコラムが、新聞に掲載されていました。
「シングルの老い支度 先立つものはお金」というタイトル。

基本的に、「ある分だけで暮らす」というのがポリシーらしい。
つい、いろいろと買ってしまうこともあるけれど、「ある分だけで暮らす」感覚により、無計画な消費行動のように見えても、実はギリギリのところで本能的にバランスをとっているとか。

書かれていた消費例を見ると、クレジットカードも平気で使うし、生活必需品じゃないものを短期間に幾つも買っています。
「むしろ使いすぎじゃないか?」と疑問も残ります。
でも、「ある分だけで暮らす」という考えだけは少なくとも賛同できますし、実践しています。

私は、自分の所有物が増えるのが苦手です。
モノを買うことは嫌いじゃありませんが、それを管理するというストレスが嫌です。

コレクション癖はあったけれど、一定の量を超えると「管理できない」と思い、一気に冷めてしまいます。
そうすると、あっけなく全て処分してしまいます。
ちなみに、「本当に必要になったら、再び買えば良い」と思って処分した後、実際に再び必要になることって、まずありませんでした。

さすがにそんな事を繰り返していると、「どうせ処分してしまうのだから」と、買うことすらしなくなってきました。
少なくとも、コレクションというのはしなくなったなあ。
必要なものだけを買っているという感じです。

マイカーを処分したのも、管理するストレスが嫌だからです。
定期的にオイル交換や車検があります。
また、冬になれば、スタッドレスタイヤに交換しなければいけない。
そういう管理が嫌でした。
「家に一台あればいいだろう」と思い、母親に新しいクルマを買ってあげて、自分のクルマは処分しました。
ジョギングをするようになり、自分の生活圏をひたすら走ってみたことがあります。
クルマが無くても、自分の足で移動できるぐらいの距離でした。
案外、日々の生活に必要なエリアって、狭いものなんですね。
勿論、天気が悪い日なんかは、マイカーがあった方がいいなあとは思うのは事実です。
そんな事を思いつつも、マイカーの無い生活になって何年か経ちますが、まあなんとかやっています。

目の前の「ある分だけ」で何とかやりくりしてみる。
それで足りなければ、買い足す。
これの繰り返しです。

単に、面倒くさがりなのかも。

「ある分だけで暮らす」というのは、自分に制限をかけることです。
ルールを作って、自分をその中に縛り付ける。

私は、「何をやってもいいよ」と言われると、実は何も出来ないタイプです。
一定の制限を課せられた方が、その中でなんとか工夫してみようと意欲が出ます。
そういう意味では、良いあしかせです。

全力疾走で、わき目もふらずに突き進むタイプでもありません。
ゆっくりコツコツと、出来る範囲内で、日々続けるのが好き。

つまらない人間に思えるかもしれませんが、疲れてリタイアするよりも良いと考えます。

Posted by kanzaki at 2011年11月17日 22:40