2011年12月09日

がん患者向けの化粧品「キレイナビ(kirei NAVI)」発売〜前向きな気持ち・自信を取り戻すきっかけになるのがコンセプト

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10月12日、がん患者向けの化粧品が発売されました。
「キレイナビ(kirei NAVI)」という、肌を明るくみせる化粧品です。

●がん暮らしサポート
http://www.gankurashi.jp/
(上記の良品研究所をクリック)

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1.キレイナビ モイストUVカラーベース(化粧下地クリーム)30g 2,730円(税込)
肌のくすみをカバーし、明るい肌色をつくる化粧下地

2.キレイナビ リキッドコンシーラー(目元のくすみ・シミ用コンシーラー)5g 2,310円(税込)
目元のくすみやシミをカバーし、明るい目元に見せるリキッドタイプのコンシーラー

3.キレイナビ クリームコンシーラー(クマ隠し用コンシーラー)2.4g 2,310円(税込)
頑固なクマを隠して、健康的な目元に見せるクリームタイプのコンシーラー

【開発経緯】

女性のがん患者の悩みで多いのは、脱毛、そして顔色のくすみやクマです。

外出の際、ウィッグを用いるのは良いのですが、問題は表情です。
抗がん剤で眉毛とまつ毛が抜け、さらに顔色が悪くなってしまい、体は元気でも顔は重病人に見えてしまうのです。
がんで変わってしまった外見に呆然とする人は多い。

そこで、がん患者向けの化粧品開発が始まりました。

鏡で自分の元気な姿を見ると、大丈夫と思えるようになります。
元気に見える外見は、精神的にも大きな支えとなるのです。

上記の化粧品を用いれば、特殊メークは不要。ちょっとしたコツだけ。

ベースメークは、肌全体をピンクベージュ系の下地でカバーします。
コンシーラーは、目の周りのくすみに効果的なオレンジ系の色です。

このように顔色を明るく健康的に見せる色を用いています。
顔色を明るく見せると、表情がパッと明るくなって、前向きな気持ちになれます。
それにより、自信を取り戻すきっかけとなるのです。

【山崎多賀子さん】

これらは、単なる美以上の意味合いがある化粧品です。
更に、がんの闘病にはお金が掛かるので、値段は3千円以下に出来るよう工夫されています。

開発の中心者は、山崎多賀子さん。
ご自身も乳がんを体験した美容ジャーナリストです。
2005年に乳がんが発覚し、右乳房を全摘出しています。
がん患者の支援活動をする「NPO法人キャンサーリボンズ」理事でもあります。

●キャンサーリボンズ:がん患者さんの「治療と生活」をつなぐ
http://www.ribbonz.jp/

山崎さんと、雑誌「がんサポート」が協力・プロデュースしたのが、上記の化粧品です。

※※※

手術した後、美容・オシャレの面で大きなものを失う気持ちは、私自身も経験があります。
目の前にある現実をつきつけられて、心臓の鼓動が高まり、頭に血がのぼって呆然となります。

他の人にとって当たり前の事が、一瞬で自分にとって当たり前ではなくなる恐怖。
世界は何一つ変化が無いはずなのに、自分の周りだけ時間軸が狂いだす感覚。
視野が狭くなっていくのが、自分でも分かります。

更に年齢を重ねれば、もっと重い病気に直撃をくらうこともあるでしょう。
若い時の喪失感は大きいけれど、その先にはまだ長い道のりがあり、心を冷静に戻せるチャンスがあります。

しかし歳を重ねてからですと、その精神的苦痛に耐える力も時間も少ない。
病気の治療と平行して、心を取り戻す作業をしなければいけないので、自分がその立場になったら、本当に耐えられるのか自信がありません。

今、マラソンやヒルクライムにまで挑戦できる視野にまで広がったのは、周りの皆さんのおかげ。
暗い方向へ進めていた歩みを明るい方へ導いてくれた皆さんのおかげ。
やはり人間は、一人では生きていけない生き物なんだと思いました。
人の中で人は救われるのです。

上記の美容という面から、がん患者をサポートする活動は素敵ですよね。
医療という面とはまた違う、大きなプラス方向への作用があるように思います。
患者さんが明るい表情になるには、薬や手術以外にもあるんだと認識できました。

私のような人間の場合、普通ならば、罵倒され、ののしられ、世間の隅で静かに死ぬのを待つような存在です。
病気にしても、生い立ちにしても。

でも不思議なんですよね。
そういった世間から辛い思いを受けた事って、一度もないんですよ。
周りの人達で、悪い心の人がいませんでした。

だから、なんだかんだで、ここまで生きて来れました。
今度は、私が他の人の支えになる番です。

Posted by kanzaki at 2011年12月09日 22:18