2011年12月15日

サウンドマーチャンダイジングとは?〜音を科学的に分析し、販売促進に役立てる手法

サウンドマーチャンダイジング(SMD)とは、音を出す広告(サウンドサイネージ)などによる販促手法の事です(雑誌PRESIDENTより)。

【音が出るポスター】

今年2月、ヤマハはポスター状になるTLFスピーカーを使い、「アサヒ十六茶」の交通広告を都内にて展開しました。
人が近づくと、CMの音声が流れる仕組みになっています。

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●「アサヒ 十六茶」サウンドサイネージ〜音が出るポスター〜|ニュースリリース 2011年|会社情報|アサヒ飲料
http://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2011/pick_0207-2.html

・「アサヒ 十六茶」のリニューアル発売に合わせ、広告を刷新します。交通広告では、JR新宿駅・東京メトロ銀座駅・西武池袋駅にて、2月8日(火)発売日から、ヤマハ株式会社の『サウンドサイネージ〜音が出るポスター〜』を用いて広告を展開します。

●ヤマハ株式会社が提案する新しい広告媒体『サウンドサイネージ』TLFスピーカー(プロトタイプ)を交通広告として展開
http://www.yamaha.co.jp/news/2011/11020401.html

・ヤマハ株式会社は、このたび、アサヒ飲料株式会社の「アサヒ十六茶」広告展開と連携し、当社が提案している新しい情報提供媒体『サウンドサイネージ』TLFスピーカー(プロトタイプ)の交通広告としての展開を、首都圏のターミナル駅にて実施します。

・今回は『サウンドサイネージ』の実用化を目指して開発を進めている「TLF-SP(ティエルエフ・スピーカー:Thin-Light-Flexible Speaker)の交通広告としての実用性を確認することを目的としています。「大きな面積から均一に、近くでもうるさくなく、遠くでも聞こえる」音響特性を活かした音の出るポスターとしての効果を検証いたします。

●十六茶|アサヒ飲料公式サイト
http://www.asahiinryo.co.jp/16cha/sp/

【TLFスピーカーのメリット】

このTLFスピーカーの説明は、下記ヤマハ公式サイトに掲載されています。

●YAMAHA公式サイト-曲げられる超薄型スピーカー、TLF スピーカー « 研究開発
http://research.yamaha.com/transducer/tlf-speaker/

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・『TLFスピーカー』は、TLF=Thin・Light・Flexibleという名前が示すとおり、薄くて軽くて曲げられるという特性を備えた静電型のスピーカーです。

・静電型スピーカーとは、静電の力で薄い振動版を震わせて音を出す仕組みで、皆さんがよく目にするコーン型スピーカーに比べ、音の向かう方向が一定でかつ遠くまで届き、しかも紙のように薄いという特徴を持っています。

・静電型である『TLFスピーカー』はスピーカーに見えない外見を持ち、今までスピーカーが使われることの無かったような場所や用途での利用が見込まれています。

・『TLFスピーカー』は、音を届ける空間こそスピーカーの真正面のみですが、その力を効率よく遠くまで届けることができます。これは『TLFスピーカー』の出す音が平面波と呼ばれる性質をもっているからで、拡散せずに直進するその音はまっすぐ遠くまで届くのです。

・TLFスピーカーの出す音は平面波ですから、平行にならべたスピーカー間の音は遠くまでいってもそれほど混ざり合うことがありません。そのため、複数のスピーカーが隣接していたとしても、そのスピーカーから流れる音を聞き分けることが可能です。逆にいえばスピーカーの正面以外では音がしないということになるため、騒音が気になるような場所にも用意に設置することが可能となりました。

・薄さが1.5mm、重さがA0サイズ(1平方メートル)で400gと、壁掛けや高所面への設置でも安心できる仕様となっております。

・『TLFスピーカー』はこのハウリングが発生し難い仕組みとなっているため、そうした手間を省くことができ、業界からも注目を集めています。設定によってはスピーカーにマイクを密着させてもハウリングを起こさないなど、驚きの結果が注目を集めています。


形が変わると、今までのスピーカーには無かったメリットが、こんなにも出てくるのですね。

【サウンドスケープ(音風景)】

お店のBGMに工夫をこらすことも、SMDの一つです。
有楽町マルイは、それぞれの場所・時間帯にあわせたBGMを流しています。
そのBGMは、東京芸術大。音楽環境創造科が製作しています。
SMDは他の視覚的なMDと比較すると、音を変えるだけで効果が出るので、割安となっています。

最近は、音と感情、脳に関する研究が進んでおり、人の感情を動かすのは確実であることが分かっています。
音の価値について、文化的にも見直されています。
1960年代末、カナダの作曲家マリー・シェーファーが、「サウンドスケープ(音風景)」を提唱しました。

●サウンドスケープ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%97

・もう一度音を風景の観念でとらえ、その上で音を巡っての関係性に注目し、日常生活や環境の中で音を風景としてどのようにかかわっているのかを考えるために、「サウンドスケープ」という概念が提唱された。


日本でも1996年に「残したい日本の音風景100選」が選定されました。
オホーツク海の流氷や京丹後市の琴引浜の鳴き砂などが、音風景として採用されました。

●環境省選定 残したい日本の音風景100選
http://www-gis2.nies.go.jp/oto/

●オホーツク海 流氷の鼓動(EOS Movie) Drift ice of Okhotsk Hokkaido in Japan - YouTube

●琴引浜 鳴き砂を伝え残す(京都府・京丹後市) - YouTube

我が家の近くでは朝方になると、遠くの方から鐘の音が聞こえてくることがあります。
また、夕焼け空に鐘の音というのも、とても情緒がありますよね。

鐘の音で時刻を知るって、昔の人ならば当たり前なのでしょう。
時刻を知るのが容易になった現代、鐘の音にどことなく和の趣を感じ、心が落ち着きます。
もうすぐ聴こえてくる大晦日の鐘の音は、一年という期間の節目を象徴する音ですよね。

虫の音の種類で、季節も感じることが出来ます。

●秋の虫の音・14夜の月夜 - YouTube

音の効果は、視覚をより一層効果的にさせるようです。
写真も良いけれど、実際の風景の方がより一層感動できるのは、自分を包み込む音があるからかもしれませんね。

※※※

感動する音といえば「歌」ですよね。

私は小椋佳さんが好きです。
昨日、BSで特集をやっていたのですが、改めて感動しました。

歌詞の言葉ひとつひとつが、日本語の美しさに満ち溢れています。
それを荒げることなく、優しく歌い上げますよね。

小椋さんの曲で一番好きなのは「歓送の歌」です。
「銀河英雄伝説」というアニメ(シーズン3)のエンディングに使われていました。

この曲を作った小椋さん自身が歌うと、心に染みて泣きたくなります。

●歓送の歌〜live.ver〜 - YouTube

Posted by kanzaki at 2011年12月15日 22:19