2012年04月13日

障がい者の皆さんへの工夫〜花王の字幕付きテレビCM、サイゼリヤのバリアフリー Menu Book、2013年参院選から政見放送に字幕

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障がい者の方々が、普通に過ごせる社会。
その為には、様々な場所で工夫が必要です。
今回は、その幾つかの取り組みをご紹介します。

【字幕付きテレビCMを放映】

「花王」は、生活必需品を提供するメーカーとして、字幕付きテレビコマーシャルの放映を開始しました。
1月から3月迄、「A-Suudio」というテレビ番組で試験的に放映していました。

●ニュースリリース 「字幕付きのテレビコマーシャル」を試験的に放映 | 花王株式会社
http://www.kao.com/jp/corp_news/2012/20120112_001.html

日本の難聴者人口は潜在的な難聴の方も含めると約2000万人と推定されており、これは全人口の15%以上に相当します(2003年日本補聴器工業会調べ)。 今後、高齢化が進むとこの割合は増大します。 また近年、ワンセグの普及など、テレビの視聴スタイルも多様化し、音声を消した状態での視聴も増加傾向にあります。 デジタル放送への移行に伴い、テレビ番組においては、NHK総合では100%、民放在京キー5局では9割以上が既に「字幕付き」となっています。 一方で、放送時間の約2割に相当するテレビコマーシャル(CM)については、試みがはじまったばかりの段階にあります。 花王では、誰にでもわかりやすく情報をお伝えする方法として、字幕付きCMの導入に向けて、積極的に取り組んでまいります。

テレビのCMは終了しましたが、花王ウェブサイトのトップ画面“花王CMチャンネル”から、「字幕付きCM」を観ることができます。

●花王CMチャンネル - YouTube
http://www.youtube.com/user/KaoJapan/videos?sort=dd&view=0&page=1

再生後、CM画面右下にあらわれる「CC:クローズドキャプション」ボタンをクリックすると、字幕が表示されます。
私の環境下では、字幕が文字化けしているのですが・・・。

●(例)花王 トイレクイックル トイレまるごと! CM

そういや最近、ドラマなどを見る時は、必ず字幕をオンにしています。
専門用語など、聞くだけでは理解しにくい場合に助かります。
同じ媒体で、コマーシャルに字幕があっても、確かに困りません。
むしろ、商品理解の手助けになるかも。
障がい者以外の方達にもメリットがありそうですし、もっと普及しても良いのではと思います。

【サイゼリヤのバリアフリーメニューブック】

イタリア料理のチェーン店「サイゼリヤ」。
こちらは、視覚障がい者が気軽にメニューが選べるように、各店舗に「バリアフリー Menu Boo k」を用意しました。
B5サイズで、色は濃いワイン色、点字付きです。
大項目は白抜きの文字、そのほか商品名・価格・説明文などは白地に濃いワイン色の配色にしています。
また、視覚障がい者との接し方をまとめた従業員向けのバリアフリーメニュー取扱いガイドも作りました。

【2013年参院選から政見放送に字幕】

聴覚障がい者の参政権向上のため、2013年の参院選から政見放送に字幕を付ける方針を固めました。
手話通訳は既に一部で実施していますが、理解できない聴覚障がい者に配慮しました。
準備期間が短いので、まずは比例代表で試行し、徐々に拡大を検討していきます。
現在、字幕入り映像は、衆院選小選挙区にて、政党が独自に持ち込む場合に限って認められています。
これも、健常者にとって理解の手助けになりそうです。

※※※

【プロボノとは?】

こういった事例は他にも沢山あります。
そして、毎月のように増えています。

これらは、単純なコスト意識だけある集団では、なかなか実現出来るものではありません。
上記でご紹介したものは、社会貢献の善意だけではなく、売上向上や投票率UPを狙ってのことです。
それで両者が共にメリットを見いだせるならば、非常に結構。
むしろ、そういう観点で考えるからこそ、今までにないアイディアが出てくるのです。

色々なボランティアに参加するのも素晴らしいものです。
それ以外に、自分が働いている専門分野から社会貢献に繋がる活動をするのも良い手です。

自分の専門知識を活用して社会貢献することを「プロボノ」と言います。
「pro bono publico」を略した英単語です。

ボランティアというのは、主に「時間(単純労力)」を提供する事をさす場合が多いです。
それに対してプロボノは、その人が自分の職業を通じて身につけた「職能」を提供します。

●神崎のナナメ読み: プロボノとは?〜二枚目の名刺を持って社会貢献をする人が増えています
http://kanzaki.sub.jp/archives/002500.html

●サービスグラント - スキルを生かしたボランティア「プロボノ」を始めよう - do it pro bono.
http://servicegrant.or.jp/

●NPO法人 二枚目の名刺
http://nimaime.com/

自分は、障がい者の方々と接点が無いと思っている方もいるかも知れません。
けれどひょっとしたら、障がい者の皆さんは、あなたの仕事のスキルを求めているかもしれませんよ。

Posted by kanzaki at 2012年04月13日 23:46