2012年09月19日

「京都の企業の強さ」と「京都の人の当たり前」

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【京都の企業の強さ】

京都には、個性のある有名企業の本社がありますよね。

●京セラ株式会社
http://www.kyocera.co.jp/index.html

●任天堂株式会社
http://www.nintendo.co.jp/

●株式会社ワコール
http://www.wacoal.jp/

他にも日本電産、オムロン、島津製作所等など・・・。
地方にありながら、独自路線で全国を相手に出来るのは、とても素晴らしいと思います。

京都府生まれの経済学者・村山裕三さんが、京都の企業の強さについて語っています。
その中で私が気に入ったところは3つです。

●コア・コンピタンス:
コア・コンピタンス(Core competency)とは、「競合他社に真似できない核となる能力」の事です。
京都の企業は人マネすることを嫌います。
その独自性は、内にこもること無く、ロレアル・カルティエ・シャネル・欧州有名ブランド企業とコラボも行っています(それだけ高く評価されている)。

●継続重視:
京都企業は利益追求よりも、継続することを重視しています。
継続が前提だから、長期的視点で投資できるのです。
「革新」すら継続のための手段なのです。

●深い文化:
文化を商うのではなく、文化とともに商う。
京都の歴史、文化、伝統は底が見えない奥深さがあります。
人間、文化、テクノロジーが一体となっており、企業が京都から出ていかないのです。
機能性(コスト競争)と文化性(芸術性)の絶妙なバランス感覚が、京都企業の凄いところです。

【京都の人の当たり前】

京都は、私のような東日本の片田舎の人間から見ても、歴史と文化が素晴らしいと感じます。
そして、更に凄いことに、今尚、その考えや行動が受け継がれていることです。
京都へは仕事の関係で、週に何度か電話をするのですが、相手と話していて気持ちが安らぎます。
ご年配から若い女性まで、どなたも好印象です。

京都府宇治市出身の儀式作法研究家・岩上力(いわがみつとむ)さんは、各方面にて儀式作法教室の講師を務めるとともに、作法コメンテーターとしてテレビ・ラジオに出演しています。

岩上さんが、京都人の気遣い、人間関係を円滑にする作法について語っていました。

京都というと、「作法」や「しきたり」が厳しいというイメージがあります。
しかし京都の人にとってみれば、そらは、つかず離れずの粋な関係の土台であるのです。
また、お付き合いを楽にしてくれる合理的マニュアルとも考えています。
小さい頃から、人のふり見て我がふり直すことを意識するよう教育され、マナーが洗練されてきました。

そして、「人はやっぱり折れ反れが一番」と考えています。
目上であろうが、下であろうが、いつ誰にでも頭を下げることができるのが大切なのです。

※※※

人は、「評価が低い」には反論できても、「評判が悪い」には反論できないものです。

評判はやはり、その人・企業の立ち振舞い・考えが影響してくると思います。
そういった事を幼い頃から意識して育ったからこそ、好印象を与えるのでしょうね。

独自性・個性というのは、全く無から生まれるものではなく、そこに根ざした風土・歴史・文化が影響を与えると思います。
逆に言うと、首都圏の人・企業に勝るものを発信するには、それを使わないと無理ではないかと。

私の住む新潟も、京都ほどでは無いものの、多くの誇れるものがあるはず。
「あるはず」と書いたのは、実は地元の人間ほど、新潟というものを風土・歴史・文化等の観点から知らない人が多いのです。
もっと見識を深め、全国の皆さんへお伝えできたら良いなと思っています。

Posted by kanzaki at 2012年09月19日 23:41