2012年11月14日

BYOD(Bring Your Own Device)とは?〜ルール好きの日本人向けじゃないと思います

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【BYODとは?】

個人所有のモバイル端末を業務利用している人の割合は、アジア諸国で軒並み90%前後です。
一方、日本は22%とダントツに低い事が分かりました。(雑誌PREIDENTより)

理由は、日本人は会社でしか仕事をしていない環境にあるからです。
移動中や自宅での仕事ができるようになると、在宅勤務やノマドワーカーなど雇用の多様化も期待できます。

会社以外で仕事をするには、道具が必要です。
アメリカでは、「BYOD」が流行しつつあるそうです。

「BYOD」は、「Bring Your Own Device」の略。
意味は、従業員がスマートフォンなど、私物の端末を業務に使用することを指します。

レストランにて、自前の酒ボトルの持ち込みを許可する「BYO(Bring Your Own)」をもじったものです。

【BYODの問題点】

以前なら、社用のメールを閲覧したり、会社のファイルサーバーにアクセスするなど、外部からは制限されていました。
「BYOD」の認知後、使い慣れた自前の端末で、それら業務が出来るようになりました。
これにより、生産性が向上すると同時に、会社が高価な端末を支給せずに済むというコスト削減のメリットがあります。

問題はセキュリティ面。
私物の端末にデータが残ってしまう可能性があります。
今年4月、ディー・エヌ・エーが、BYODからスマートフォンの会社支給へ逆戻りしたのは、これが原因です。
また、プライベートとの区分けが無くなり、勤務時間が増える可能性もあります。

※※※

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好きな道具で、どこでも好きな仕事をしたい人にとって、BYODは最高の環境でしょう。
会社も公とまではいかなくても、私物の利用を黙認しているのですから、かなり好き勝手出来ます。
しかし、見方を変えれば、24時間仕事の奴隷化です。

また、私物のスマートフォンは当然、自腹を切っての購入ですし、通信費も自腹。
データ通信は月額固定だからまだ良いです。
しかし、音声通話をした場合、大抵は従量課金だから、通話が多い月はかなり痛い。
壊れた際の修理費も自腹。
他国の企業は、どれぐらいBYODに対して、費用を会社が負担しているのか気になります。
毎月、わずか数千円ばかりを会社から負担してもらう代わりに、実は大きな負担を背負い込む可能性の方が高いです。

iPhone5になってからソフトバンクは、高速データ通信(LTE)が可能になりましたが、通信費は値上げされました。
値上げやら、ライフスタイルの変化などで、スマートフォンからガラケーへ戻したくても、仕事で使っている以上、もう後戻りできません。
特に、会社から通信費の一部負担などをしてもらっていると、尚更やめられません。

BYODは、自分の裁量(端末の選定、使い方)のウエイトが高くないと旨みがありません。
旨みを維持するためにも、私は会社へ通信費を請求しないし、今後も求めないでしょう。
もちろん、セキュリティは遵守しますが。

私は中二病なところがありますから、最新の端末を使いこなすことに喜びを感じてしまいます。人柱常套。
だから、BYODは肯定派。
しかし、会社がBYODを前提にルールを作るのは否定派です。

日本は、ちょっと何かあると、ルールを追加したがります。
ルールの上積みにより、がんじがらめ。
パフォーマンス向上とかが理由ではなく、万一トラブルがあった場合の対外的な言い訳用です。
自由な気風のBYODとは真逆です。
日本向けじゃない。

日本でもこの言葉がもてはやされつつありますが、一過性のような気がします。
必要な奴はとっくにやっているし、他人の動向なんて関係ないですからね。

Posted by kanzaki at 2012年11月14日 23:13