2012年11月21日

就活のバカヤロー〜来年2013年3月に卒業する大学生が「就職活動にかけた費用」は15万4300円(8900円減)

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【就職活動費用が減った】

来年2013年3月に卒業する大学生が「就職活動にかけた費用」は、15万4300円でした。
今年3月に卒業した学生より8900円減りました(日経より)。

減った理由は、会社説明会の開始が遅くなり、短期決戦になった為です。

昨年12月1日、2013年3月に卒業する大学生たちの採用エントリーが解禁しました。
今までより2ヶ月開始が遅れました。
年々加熱する就職活動が学業に影響を与えるので、経団連が各企業に要望した為です。

この結果、今の4年生の就活期間が短くなりました。
短くなった分、1日で複数の会社説明会を掛け持ちして、交通費などが減りました。

【就職活動費用の内訳】

来年2013年3月に卒業する大学生が、就職活動に費やした総額は「15万4300円」でした。
主な内訳は、下記の通りです。

・交通費:7万1400円(今年春卒業生より3500円減)

・スーツ代:3万9500円(同800円減)

・カバン等備品代:1万1300円(同2900円減)

・宿泊費:8900円(同1100円増)

交通費をはじめ多くが減額している中、宿泊費だけが増額していますね。
面接や説明会があると、東京や大阪へ行きます。
その際、数日間滞在して複数の企業を受けられるように、日程をやりくりした為です。
上記金額は平均ですから、滞在日数が多い人は、平均額以上の多大な出費だったと予想されます。

※※※

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【就活のバカヤロー】

「就活のバカヤロー」という本のタイトルは、就職活動をされた学生さんならば一度は耳にしているでしょう。

●Amazon.co.jp: 就活のバカヤロー (光文社新書): 大沢 仁, 石渡 嶺司: 本
http://amazon.jp/dp/4334034810

就活は、企業・大学・学生・就職情報会社による茶番劇。
そして、そんな状態は「気持ち悪い」と、おおっぴらに言ってしまった事に意義があります。

企業は、良いところしか言いません。
会社説明会に登場する社員は、優秀な2割の人で参考になりません。
日本企業のインターンシップ制度は、会社説明会やアルバイトと同義語。
本当は、やりたくありません。

学生は、マニュアル本に洗脳されて画一化。
同じ自己PRばかり。
サークル長を経験し、納豆のように粘り強い性格をアピール。

大学にとって、就活はいい迷惑。
国立大学は研究機関であって、就職の面倒をみたくない。
私立は、同じ偏差値ならば就職率で選ばれるから、就職の面倒をみます。

就職情報会社は、就活を牛耳っており、ナビサイトで大儲け。
就職活動期間が長期化した元凶。

なんだか、脚本家・遊川和彦さんの書いたドラマ「家政婦のミタ」や「純と愛」の登場人物みたい。
聖人君子はおらず、酷い性格の人ばかり。
これらドラマは、最底辺からはじまり、お互いが本音でぶつかり合って成長するところに面白さがあります。

しかし、現実の就活は、お互いがずっと牽制のしあいです。
仮面をかぶって本音と建前を区別します。
「気持ち悪い状態」だとは誰一人言わず、みんな御行儀よく進行します。
一段落(内定)するまで、じっと我慢の日々なのです。

実際、会社説明会に来る学生さん達を見ていると、「もう、こんな茶番はやめよう。就活市場が潤うだけの消耗戦だ」と思います。

私も学生時代、就活のため、何度も仙台と新潟を往復していました。
状況的には、今と似たようなものです。
インターネットの活用が無かっただけ。
茶番劇は昔からです。

「入社後3年目までに離職する割合」は大学卒で30%、高校卒では50%を超えると言われています。
就職してから1年以内に離職した正社員の離職理由は、以下の通りです。

・「仕事が自分に合わない、つまらない」 39.1%
・「会社に将来性がない」 36.7%
・「賃金や労働時間等の条件がよくない」 32.6%

就活が茶番劇だから、本人にとって良い会社との巡り合わせが上手くいかない結果なんでしょうね。

Posted by kanzaki at 2012年11月21日 23:23