2013年04月08日

共有型経済〜なぜ「くまモン」は人気になったのか?

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【くまモンの使用料は無料】


熊本県PRマスコットキャラクター「くまモン」。
関連商品の売上高は、年間約300億円です。
昨日の「がっちりマンデー!!」でも特集されていましたね。


商標の使用料を無料化し、人々が「コラボ」することで広がりを見せた「共有型」キャラクターです。


企業が使用する場合は、無料の代わりに、熊本に関連するアピールをしてもらいます。
一例として、ポッキーとのコラボを紹介します。


●くまモンがポッキーに ! 『 ミルクココアポッキー 』 新発売 | 江崎グリコ株式会社
http://www.ezaki-glico.com/release/20130226_2/


パッケージにくまモンを無料で使用する代わりに、商品に熊本産のジャージー乳を使用したり、裏面に熊本県の観光情報を掲載しています。



【共有型経済とは?】


「共有型経済」とは消費者同士が余剰資源などをレンタル・共有・再配分・無料化して価値を交換しあうというものです(雑誌PRESIDENTより)。


代表例として、オークション・カーシェアリング・ソーシャルレンディングなどがあります。


また、「くまモン」のように、キャラクターを無料で「共有」することで、新たな市場を生み出しているケースもあります。


著書「SHARE」のレイチェル・ボッツマンは、TEDにてこう言っています。


「欲しいものは物ではなく、物がもたらしてくれる経験。
これが"所有"に比べて"使用"が勝るというシフトを推し進めている」



(レイチェル・ボッツマン:コラボ消費について | Video on TED.com)


●Amazon.co.jp: シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略: レイチェル・ボッツマン, ルー・ロジャース, 小林 弘人, 関 美和: 本
http://amazon.jp/dp/4140814543



【共有がイノベーションを生む】


日本でも、共有型のベンチャー起業が盛んです。
個人所有の車レンタルを仲介するサービスや、オフィスや店舗のシェア、個人の知識やスキルをシェアするサイトが急増しています。


共有をしていたら、モノが売れなくなると言う人もいます。
しかし、潤沢にモノを売るにも限界があります。
大量消費文化の限界と閉塞感。


これから売るべきは、「経験」や「価値」。
共有型経済から学び、新たなイノベーションを起こす必要があります。


※※※

不況になってモノが売れなくなりました。
「アベノミクス」のおかげで、高級品が売れていると言われていますが、単に増税前に買っておこうという駆け込み需要です(ケチの心が作用しています)。


レイチェル・ボッツマンの
「欲しいものは物ではなく、物がもたらしてくれる経験」
という言葉に、みなさん頷けるのではないでしょうか。


何かをしたいと思った時、まず道具を揃えるのに一苦労です。
お金もかかりますし、時間もかかる。
なにより、素人が自分にあった道具なんて揃えられるわけがありません。


自分に合わない道具で良い成果は出ないから、そこで第一の挫折ですよ。
思い描いていた姿と、現実のギャップから、それ以降は手をつけないでおしまい。
お金と時間の無駄です。
失敗から学んでレベルアップしようと思うのは、ごく少数です。


最近は、ネットのおかげで、「共有」が手軽に出来るようになりました。
モノじゃないから、金銭的な悩みは少ないですね。
時間と距離を超越できる可能性もあります。


趣味の多様化、価値観の多様化なんて言われていますが、本当はみんな、繋がりたいのです。
ネットが無い時代ならば繋がることの無かった人たちが、容易に繋がることが出来る時代。
その繋がりが「安心・安らぎ」で終わるか、それとも「新たな起爆剤」になるか。
それは、我々の考え次第です。

Posted by kanzaki at 2013年04月08日 23:48