【看取り士とは?】
「たとえ、人生の99%が不幸でも、最期の1%が幸せなら、その人の人生は美しいものに変わっていくのです」
これは、マザー・テレサの言葉です。
モノがあふれ豊かな時代ですが、この言葉通りに最期を迎えられる人は、果たしてどれぐらいいるでしょうか。
雑誌PRESIDENTに、「看取り士」に関する記事がありました。
看取り士とは、余命宣告を受けてから納棺まで、在宅での看取りを支援する職業です。
尊厳ある最期を迎えられるよう、本人と家族、医師らと相談し、24時間体制で寄り添います。
きっと近い将来、このお仕事を題材にしたドラマや漫画が登場するのではないかと思います。
それぐらい、少子高齢化した、今の時代を映しだした職業だと思います。
※
【看取り士・柴田久美子さん】
団塊世代の高齢化に伴い、2025年には病院のベッドが足りず、45万人の死に場所がなくなります。
このままでいいのでしょうか。
看取りは英語で、デス・ウオッチ。
日本人に求められているのは、死を見つめ、死に逝く人を抱きしめて命のバトンを受け取る作法を共有することだと思います。
そう語るのは、一般社団法人「日本看取り士会」会長の柴田久美子さん。
●尊厳ある死を支えたくて 柴田 久美子さん(看取り士) | 生き方つながるコミュニティ|こころーたす cocolotus.com
http://www.cocolotus.com/item/1922
●柴田久美子(しばた くみこ)さんのプロフィール:
島根県出雲市生まれ。
特別養護老人ホームに勤務。
平成14年、看取りの家「なごみの里」を設立。
現在は、鳥取県米子市に拠点を移し、在宅支援活動を展開。
一般社団法人なごみの里代表理事。
吉備国際大学短期大学部非常勤講師。
神戸看護専門学校非常勤講師。
主な著書に『「ありがとう」は祈りの言葉』『風のようによりそって』『看取りの手びき 介護のこころ』(佼成出版社)など多数。
●なごみの里 - 抱きしめておくる看取り社会の実現へ
http://nagominosato.org/
日本看取り士会認定の看取り士は、全国で34名います。
公的な資格ではありません(介護職員初任者以上の資格は必要)。
柴田さんが実施する2週間の合宿の養成講座で、自宅での看取りの作法や死生観などを学びます。
ビジネスモデルとして確立されていないので、大半の看取り士が、看護師や介護士などの別の職業を持っています。
柴田さんは外食産業を経て、介護の世界に入りました。
2002年、島根県に看取りの家「なごみの里」を設立しました。
高齢者一人に介護者三人で寄り添う24時間体制の介護と、胃ろうなどを行わない自然死での看取りを実践しています。
看取り士の養成の一方、ボランティアによる看取りサポートチーム「エンゼルチーム」を結成し、看取り士との連携による終末期の暮らしの新たなモデルを立ち上げました。
日本人の8割は、自宅で死ぬことを望んでいます。
けれど、少子高齢化で、在宅介護を支える「家族力」が不足しています。
病院死が多く、人が死ぬところを見たことが無い人が殆んどです。
これでは在宅で看取るのは難しいです。
看取り士の存在は今後、大きく注目されるでしょう。
それと共に、我々も「家で死ぬこと」について深く考えるべきだと思います。
※※※
人が亡くなる時、最後まで機能しているのが「耳(聴覚)」だと聞いたことがあります。
私が看取ってあげる時、どんな言葉を伝えてあげたらいいのだろう。
最期の1%を幸せにしてあげるために、とっておきの言葉を言いたいものです。
そして私自身は、老いて死ぬまで、一日一日を丁寧に、心を込めて生きたいです。
他人からは、淡々とした生き方にしか見えないかもしれませんがね。
作家・三島由紀夫さんは、こんな言葉を残しています。
この世のもっとも純粋な喜びは、他人の喜びを見ることだ。
看取り士の姿そのものではないかと思います。
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