2010年01月26日

「言葉」が人の性格を変える【1】

私と上司の間で、いつも交わされる口ぐせがあります。

「大丈夫、なんとかる。今までも何とかなってきのだから、今回も大丈夫」

この言葉を胸に、今まで数々の無理難題、プロジェクトを遂行してきました。

私は学生時代まで、襲いかかってくる諸問題に対してビクつくだけで、何もせずに逃げていました。
そのビクつく思考が、更に自分の精神を切り裂いていたのでした。
そんな私でも社会人になれば、逃げてばかりいる訳にはいきません。
時折、心が折れそうになっても「大丈夫、なんとかる。今までも何とかなってきのだから、今回も大丈夫」という言葉で何とか乗り切ってきました。

雑誌「PRESIDENT」に、「コンプレックスが消える60の口ぐせ」という特集がありました。
その一部をご紹介します。

「どうせ無理だ」「仕方がない」「つまらない」等、悲観的な言葉をよく使う人がいます。
逆に、楽観的な思考の持ち主は、「大丈夫だ」「何とかなる」「やってみよう」等、楽観的な言語習慣を持っています。
そして両者とも、実際にそのとおりになります。

また、自分は嫌な性格だと思っていても、実は大した根拠などなく、自分で思い込んでいるだけの事が殆どです。
「自分は人と接するのが苦手」「気が小さくてあがり症だ」と自分について否定的な事をしょっちゅう口にしているために、その言葉に支配され、実際の場面で失敗してしまうのです。

言語習慣を変えれば、思考習慣も変化するそうです。
つまり、「口ぐせ」を変えることで性格も変えることが出来るのです。

これは、人が脳や自律神経によって動かされているからです。
自律神経は、心臓の鼓動や体温調整など、本来は人の意を介さずに整体コントロールを行っています。
しかし同時に、脳が思考したことに無条件に反応する特性も持っています。
例えば、梅干を想像しただけで、唾液が分泌されるような事です。

思考は言語で構成されていますから、言葉が自律神経系、ひいては人そのものを支配するといえます。
言語を操ることで、自分をコントロールする事が出来るのです。

脳には面白い特性があり、現実と想像の区別がつかないそうです。
本当はそう思っていなくても、「今日は楽しい」と口にすれば、脳はこの言葉の意味を読み取り、自律神経がそれを具現化しようとします。
想像上のことであっても、身体は現実のことと同じように反応します。
こういった生理的な仕組みを理解して口ぐせをうまく利用し、性格を変えることが出来るのです。

本当はそう思っていなくてもいいので、「実は人間が好きなんです」「なんて幸せ者なんだ」と何度も口にしていると、本当にそんな気がしてきます。
そして、自分を取り巻く環境を見る目が変わり、人を見る目も変わります。

「ありがとう」を意識的に言うことも良いそうです。
心から感謝の気持ちを持っていなくてもいいので、言いたくない相手に言いましょう。
心は後からついてきます。
それほど言葉の持つ力は強いのです。
自律神経系は人称を解さないので、相手への感謝の言葉も、発生している自分への感謝として解して自信がつきます。

次回に詳細を書きますが、相手を意識的に褒めることも効果的です。
人を褒める言葉でも、脳や自律神経系は自分を褒める言葉と解するのです。

脳の持つ特性・・・ある意味、プログラム上のバグとも言うべき欠陥が、実は性格向上の切り札になるのです。

年間三万人もの自殺者がいるこの日本。
とても健全な精神の国とは思えません。
人と人のコミュニケーションが少なくなってしまい、会話・口数が減ってしまったのに関係がありそうな気がします。

相手に何も言わないということは、つまり自分自身の心にも跳ね返ってこないことになる。
良い言葉の掛け合いがなくなれば、心も衰弱してしまいます。

良い言葉を発するのに、イニシャルコストもランニングコストも必要ありません。
さっそく、明日の出社時からはじめてみませんか?

次回へ続きます。

●人間関係づくりが苦手な人におススメの口ぐせリスト

・ありがとう
・実は人間が好きなんです
・彼も人なり、我も人なり
・一人の人に可能なことは万人に可能だ
・道は限りなく広がっている
・みんな幸せになるために生まれてきた
・あなたの幸せは私の願いです
・あなたに会えてよかった
・愛は幸せになって帰ってくる
・なんて幸せ者なんだ
・とても助かった
・いきいきしているね
・そのアイディア、いいね
・仲間に恵まれた
・これなら必ずうまくいくね


●次回の記事: 「言葉」が人の性格を変える【2】
〜ほめる覆面調査会社「C’s(シーズ)」の社長・西村貴好さん
http://kanzaki.sub.jp/archives/002011.html

Posted by kanzaki at 22:28
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