2010年05月08日

新潟県津川地区の祭り「狐の嫁入り行列」【1】

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5月3日、「狐の嫁入り行列(きつねのよめいりぎょうれつ)」を見学に行ってきました。
狐の嫁入り行列は、新潟県東蒲原郡阿賀町津川地区で行われる祭りです。

●狐の嫁入り行列 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%90%E3%81%AE%E5%AB%81%E5%85%A5%E3%82%8A%E8%A1%8C%E5%88%97

昔、新潟の津川にある麒麟山には狐がいて、毎晩のように狐の声が聞こえ、狐火が見られました。
津川の狐火は世界一と言われ、麒麟山にまつわる狐や狐火の話しは数多くあります。
昔、嫁入りは夜にかけて行われたので辺りは暗く、提灯を下げて行列が練り歩きました。
この提灯の明かりと狐火が平行して見え、狐の嫁入り行列が生まれたと言われています。

このような地元の言い伝えをベースにして、1990年から祭りがはじまりました。
毎年、この5,000人しかいない津川地区に、このお祭りを見ようと約5万人もの観光客が来るのですから、町おこしは大成功と言えましょう。

この日は、街が祭りで一色になります。
行列に出演する人達が狐のメイクをするのは勿論、この舞台を支えるスタッフから、果ては警備をする警察官まで、みんなが狐のメイクをします。

麒麟山公園では、一般の見物客も狐のメイクをしてもらうことが出来ます。
メイクは、子供からお年寄りまで、性別関係なくやってもらっていましたよ。
多くの人達が、そのメイクをしてもらうために行列が出来ていました。
また、狐のメイクだけではなく、狐の耳飾りも至る所で販売されていました。
参加者だけではなく、見物客もメイクと耳飾りによって祭りの一員になったように感じられ、面白い試みだと思いました。

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(会場に設置されたステージ上では、狐のメイクのコンテストが行われていました)

「狐の嫁入り行列」はその名の通り、本当に結婚する奥さんが、狐の顔を模した化粧を施し、大勢を引き連れて街を練り歩きます。
全体の流れは以下の通りです。

※午後5時頃、住吉神社にて「旅立ちの儀」が行われ、白無垢の花嫁がお里に別れを告げます。
あまりに見物客が多く、前の方で撮影できませんでした。
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※午後5時30分頃、「イヤーソーライ」の木遣りにのせ、狐の動作を交えながら嫁入り行列がおごそかに進みます。
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↓動画です。


※午後6時30分頃、花嫁は「下越酒造」の建物前にて一旦座り、保育園児による可愛らしい祝いの踊りが行われます。
古い街なので道が狭く、更に大勢の人達が集まっているので、まともに撮影できません。
今回、望遠レンズを持ってこなかったのは失敗でした(観光バスに乗って行ったので、荷物を多く持っていけなかったのです)。

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祭りの行われた津川という街は、昭和の古き良き時代の街並みのまま今日に至ります。
そんな街で伝統行事が行われるだけでも、まるで昔話の世界にでも引き込まれたかのように感じます。
更には日の落ちた夜まで続くので、提灯や照明等のオレンジ色の光が幻想的に映えます。
そんな夜になってからの光景は次回に掲載します。

祭りという一つのイベントを、街の人達が協力して毎年行うのは、本当に素晴らしいですよね。
今は、隣近所の人達と繋がりが希薄な「無縁社会」なんて呼ばれていますが、こういった伝統行事を行っている街には、そんな言葉は関係ないように思います。
いつまでも続けて欲しいと思いました。


【続く】

●次回の記事: 神崎のナナメ読み: 新潟県津川地区の祭り「狐の嫁入り行列」【2】
http://kanzaki.sub.jp/archives/002080.html

Posted by kanzaki at 23:33
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