2010年10月25日

「紙の本」は5年以内に消えてしまうのか?

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「蔵織」の社長さんが20代の時、レコードのジャケット用に描いた作品だそうです。

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●CNN.co.jp:「紙の本」は5年以内に消える? 米科学者が見通し示す
http://www.cnn.co.jp/business/30000575.html

ワシントン(CNN) 電子書籍と携帯情報機器の普及にともない、伝統的な「紙の本」は今後5年以内に姿を消すだろう――。途上国の子どもたちにノート型パソコンを配布するプロジェクトを立ち上げた米科学者、ニコラス・ネグロポンテ氏がこのほど、CNNの番組で自説を紹介した。
紙の本から電子書籍への移行は先進国より途上国でより速く進むというのが、同氏の見方だ。「携帯電話が、もともと電話のなかったカンボジアやウガンダで素早く普及したのと同じこと。米国には固定電話があったため普及が遅れた」と、同氏は説明する。


さすがに5年では消えないでしょうねえ。
けれど、分野によっては発行部数が縮小するのは確実でしょう。

例えば「現代用語の基礎知識」のような新語を含めた用語辞典の類。
既に淘汰されており、「イミダス」「知恵蔵」は消えました。
普通の日本人には、書籍として残しておくほど大層なものは必要ではなく、「Wikipedia」のようなオンライン百科事典で十分だと思います。
こういった、データベース的なもの、辞書的なものは淘汰されるのは間違いありません。

毎日の情報、出来事を知るには、昔ならば新聞が最適でした。
けれど、「消費していく情報」程度ならば、ネットで十分かもしれない。
若しくは、テレビのニュースを適当に見るだけでも良いかも(解説をしてくれますし、視覚的にも分かりやすいですし)。
反論される崇高な人もいるかもしれませんが、全員がすべてのジャンルに対して興味がある訳じゃないですし、専門家である訳でもないのですからね。

ちなみに私の場合、殆どスポーツには興味がありません。
他の人には重要でも、私には有用ではない。
適当に、テレビのニュースでちょっと見られればいい。
だから、わざわざ新聞で読む必要はありません。

新聞の有用性は分かってはいますよ。
なにせプロが考えて書いたものですからね。
各社によって、同じ出来事でも捉え方が違うことも分かっているつもり。
けれど、その違いを知るために複数の新聞を買おうとまでは思いません。
各紙の違いは、テレビ等の解説で知ることが出来れば十分です。

ちなみに地元の新聞ですと、朝刊・夕刊セットで月3,925円、朝刊のみですと月3,007円です。
これを高いと見るか、安いと見るかは人によるでしょうね。
私には高いと思えます。
ちなみに私はiPhone4を所有しています。
ドコモから乗り換えをしたので割引が適用され、現在の通信料は約3,000円です。
(本体代は24回の分割払いでして、通信料の他に約2,400円掛かっています)
iPhone4を酷使して、インターネットをやりたい放題行ってもこの金額です。
私個人レベルでは、同じ3,000円を出すならば、新聞よりiPhone4で世の中にアクセスした方が有用です。

しかしiPhone4は非常に便利ですが、電池の持ちは良くないです。
私が液晶の明るさを最大に設定しているせいもありますが、寝るときには必ず充電する毎日です。
iPhone、iPad、そしてそれに似たような商品は、電池の問題を克服しないといけないですよね。
紙媒体から移行する最大のネックかも。

iPadが発表された時、紙媒体から電子書籍への移行が急速に進むのではないかと各メディアが取り上げていましたが、今はそんな盛り上がりが嘘のよう。
やはりあの重さは気軽じゃないし、落としたらオシマイというリスクは怖いですもの。
それと、iPhone4が発表され、持ち運びに便利なこちらの方が良いと感じた人も多いです。

それ以前に、デジタル化した情報で「会社の儲け」を生み出すビジネススタイルがまだ確立されていません。
儲けが出ているのはほんの一部だけです。

電子書籍は電池の問題もありますが、中に収録しておく書籍の取り扱いも考えないといけません。
著作権とかそういう意味ではありません。
データの消失についてです。
例えばiPadのような電子書籍媒体に1,000冊分の小説、ビジネス書籍等を入れておいたとして、その機械が壊れた場合のリスクをどうするか。
ちゃんとパソコンにバックアップを取っていれば良いのですが、もしそうしておらず、基本的にスタンドアローンで使用している場合は、中のデータが一瞬で消失する可能性があります。
バックアップだって、完璧とは言えません。
案外、電子書籍を外出中に紛失したり落下させた際のリスクより、パソコンと同期をしてバックアップをしている最中に、トラブルでデータ消失のほうが身近だったりします。
「バックアップ」だけではなく「同期」ともなると、どこまでデータ消失のトラブルが起きたかを把握するのが大変です。

インターネットが身近になってから、かえって活字に触れる機会が増えた人も多いことでしょう。
twitter、mixi、ブログ等、個人レベルでの情報発信が当たり前になりました。
プロがお金儲けの手段として使うには、電子書籍はまだ不確定要素が多いけれど、コミュニケーションとか表現手段の一つとして利用するならば、インターネット、電子書籍は有効かもしれませんね。

私の母が雇われ店長をしていた本屋は、数年前に新潟を撤退しました。
やはり本は儲けが少ないですから。
そこへ来て万引きなんてされたら、本当に商売としては無理です。
大晦日の夜、テレビ番組表の掲載されている雑誌を万引きした未成年には、本当に呆れました。
何もこんな時に盗むなよと。

ひょっとしたらもう、紙だろうが電子だろうが、「情報」で儲けを出す商売というのは行き止まりなのかもしれません。
正直な話し、日常生活に必要な情報なんて「そこそこ」で良いのですから。
「そこそこ」ならば、高いお金や機材を用意して無理して入手せずとも、適当に情報が掴める時代ですからね。

だからこそ、個人レベルでの情報発信・・・ネットでもいい、フリーペーパーでもいい、近所の人達を集めて講釈をしてもいい・・・が今後は中心になっていくかも。
縮小しつつある日本社会では、今まで無視され続けていた地域レベルのコミュニティーが重要になっていくと思いますから。

Posted by kanzaki at 21:49
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