2016年03月10日

任意後見制度とは?〜高齢の一人暮らしで心配なのは「財産の管理」。もし認知症になった場合などに支援

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(TVCMの撮影をした際、ついでに撮った新潟市。手前から二番目が萬代橋。
ここで生まれ、ここで死んでいくのかなあ・・・)


高齢の一人暮らしで心配なのは、「財産の管理」ではないでしょうか。


もし認知症になった場合、判断能力が落ちますから、財産管理や契約などに支障が出ます。


そういった際に支援してくれるのが、「成年後見」という制度です。2種類あります。


・「法定後見」:すでに判断能力が低下した人が対象。


・「任意後見」:将来に備えたい人が対象。


我々が老い支度、老後の安心のためにするのは、任意後見の方です。
任意後見は誰にでも依頼できますが、弁護士や司法書士らの専門家、社会福祉協議会などが引き受けてもくれます。
一度、行政の地域包括支援センターに相談してみてください。


●例)新潟市成年後見支援センター
http://www.syakyo-niigatacity.or.jp/advanced-age/seinenkouken_old



【任意後見の仕組み】


・本人がしっかりしている間に、信頼できる人と公正証書で「任意後見契約」を結びます。


・時がたって判断能力が低下したとき、家庭裁判所に申し出て、任意後見人になってもらいます。


・家庭裁判所は、申し立てがあった際、任意後見人を監督する人を選任します。
監督人は、任意後見人の仕事が適正に行われているかチェックし、家庭裁判所へ報告します。


・任意後見人の仕事:
預貯金や年金の管理、税金や公共料金の支払い、入院の手続き、介護サービスの契約、老人ホームへの入居契約など。
(具体的な内容は、当事者間で自由に決められます)


・公正証書の作成費用・・・2万円程度。
家庭裁判所への申し立て・・・5千円程度。


・任意後見人へ支払う報酬は当事者間で決め、監督人への報酬は本人の財産などに応じて家庭裁判所が決めます。


・東京家庭裁判所の「成年後見人等の報酬額のめやす」によると、以下のとおりとなっています。

「基本報酬」
(1) 成年後見人

成年後見人のめやすとなる額は,月額2万円です。
ただし、管理財産額が高額な場合は、管理財産額が1000万円を超え5000万円以下の場合には基本報酬額を月額3万円〜4万円、管理財産額が5000万円を超える場合には基本報酬額を月額5万円〜6万円とします。


(2) 成年後見監督人
成年後見監督人が、通常の後見監督事務を行った場合の報酬(基本報酬)のめやすとなる額は、管理財産額が5000万円以下の場合には月額1万円〜2万円、管理財産額が5000万円を超える場合には月額2万5000円〜3万円とします。


「付加報酬」
成年後見人等の後見等事務において、身上監護等に特別困難な事情があった場合には、上記基本報酬額の50パーセントの範囲内で相当額の報酬を付加するものとします。
また、成年後見人等が、例えば、報酬付与申立事情説明書に記載されているような特別の行為をした場合には、相当額の報酬を付加することがあります。


※※※


上記のとおり、毎月数万円のお金が発生します。
まだ元気なうちは、ちょっと躊躇しますよね。
任意後見制度は、なるべくギリギリまで引き伸ばせればありがたいものです。


品川区では、下記のようにひとり暮らしの高齢者を対象とした「あんしんの3点セット」というものを行っています。
これは、毎月の金額が安いですね。
定期的に、訪問してくれるので、判断能力の低下がみられれば、適切なタイミングで任意後見制度を使えます。
今後、各地域で増えていくのではないでしょうか。

●品川成年後見センターのサービス|品川成年後見センター|社会福祉法人 品川区社会福祉協議会
http://shinashakyo.jp/koken/service.html


あんしんの3点セット

品川区民で、身近に親族がいない、判断能力のある、ひとり暮らしの高齢者を主な対象としたサービスです。

「あんしんの3点セット」とは「あんしんサービス契約」「任意後見契約」「公正証書遺言作成支援」を組み合わせたサービスです。

<あんしんの3点セット 料金>

契約手続料 20,000円(初回のみ)

基本料金 500円(1ヶ月)

※任意後見公正証書作成料、公正証書遺言作成料等の費用は自己負担となります。



◆ あんしんサービス契約

定期的に訪問し、お元気確認を行います。判断能力の低下がみられる場合には、適切な時期に任意後見制度につなげます。

Posted by kanzaki at 22:56
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