最近のビジネス書・メンタル書に多いキーワードは、「怒らない」から「今に集中し行動する」へ移行しているように感じます。
怒らないための解決法として、今に集中するのがもっとも効果的だからです。
昔から、言われ続けてきたことです。
雑誌PRESIDENTのバックナンバーに紹介されていた哲学者の言葉をいくつか記したいと思います。
※
【哲学者の言葉】
哲学者たちは、行動しない、怠け癖・逃げ癖のある人達へ、戒めの言葉を送っています。
「やる気がなくなった」のではない。
「やる気をなくそう」と自分で決断を下したに過ぎない。
「変われない」のではない。
「変わらない」と自分で決断したに過ぎない。
(アルフレッド・アドラー:オーストリア・心理学者)
フロイト、ユングと並ぶ心理学の巨頭。
刺激(嫌なこと)→反応(やる気喪失)という人の思考は一通りではなく、刺激の受け止め方=認知次第でその人の反応(感情、思考、行動)が決まる。
楽観的であれ。
過去を悔やむのではなく、未来を不安視するのでもなく、今現在の「ここ」だけを見るのだ。
(アルフレッド・アドラー:オーストリア・心理学者)
勇気ある人は楽観的である。
過去のことをグズグズ考えたり、先行きを心配したりせず、気持ちをただ今、できることだけに集中する。
闇雲な悲観主義は一見、賢そうにみえても、見る人から見れば、滑稽に思える。
生きることとは、呼吸することではない。
活動することだ。
(J・J・ルソー:仏・哲学者)
ホッブズ、ロックと並ぶ啓蒙思想の大家。
教育論を展開した自著「エミール」で過度に我が子の身を心配する親を戒め、必要なのは我が子をタフな大人に育てることだと諭した後の一節。
苦しいから逃げるのではない。
逃げるから苦しくなるのだ。
(W・ジェームズ:米:心理学者)
米国各界に影響を与えた哲学者・心理学者。
外部からの刺激を知覚した身体が直接変化(逃げる)し、それが情動(苦しむ)を生むという。
一般常識とは真逆の「情動理論」を提唱、論争を呼んだ。
人が不可能だと思っているときは、やりたくないと決めているときだ。
(スピノザ:蘭・哲学者、神学者)
デカルト、ライプニッツと並ぶ合理主義哲学者。
「私にはできません」という物言いが謙虚ではなく、単に言い訳であることを見抜いた一言。
「善だから努力するのではなく、努力するから善なのだ」との一言も。
困難だからやろうとしないのではない。
やろうとしないから困難なのだ。
(セネカ:古代ローマ・哲学者、劇作家)
時間についての考察を多く残し、その浪費に対し憤りを隠せないセネカ。
四の五の理由をつけて大事なことに取り組もうとしない者へも当然のようにこうした厳しい指摘を行っている。
※※※
少し前まで流行ったキーワード「怒らない」。
怒るきっかけになる理由は、
「もっと、私はちやほやされてしかるべきだ。それなのに、不当な扱いをされた」
という幼稚な考えです。
相手から、低い評価をされたということです。
仕事の最中、買い物の最中など、場面は違っても人の心の動きは同じです。
他人からの評価が気になるのです。
この思考は、個人だけではなく、大手企業にも見受けられます。
最近、日本の大手企業のダメさ加減が露呈していますよね。
数字だけ良くしようと不正をした会社が、いくつもニュースに出ています。
直近なら、三菱自動車の燃費に関する数値のインチキでしょうか。
実がないのに、見た目だけ良くしようと取り繕うのは、他人の評価ばかり気にしているから。
しかも気にするだけで、何もしようとしないのです。
その為、下請けである中小企業へ無理難題を言いつけて、良い結果が返ってこないと怒るだけ。
現在の業績結果・評価は、自分たちは何もしてこなかったツケなのです。
怒らない為には、日頃の行動・考え方を変える必要があります。
その解決法で手っ取り早く、尚且つ生産的なものが、「今に集中する」なのです。
今に集中し行動することで、余計なことを考えず、能力を最大限に発揮できます。
怠け癖・逃げ癖を直せます。
集中・行動することで既に満たされるので、他人からの評価が気にならなくなります。
自分自身が成長していけるのです。
評価も報酬は、取り繕わなくても正当な形で後からついてきます。
こう書いているのは、わたし自身が心の持ちようを変えていかねばならないと思っているからです。
お互い、怒らず、行動していきましょう。
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