2016年06月24日

「遅読家のための読書術(著:印南敦史)」は、不器用でクソ真面目で、いつも損をする人を救済する本

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・「本を速く読める人」と「遅くしか読めない人」がいるのではない。
「熟読の呪縛から自由な人」と「それにまだとらわれている人」がいるだけ。


・大切なのは、本を読んだ結果として、知識や発見が1%でも残ること。(いくら熟読しても100%覚えるなんて無理)
たくさんの本から1%を集めて、大きな知識を作っていく。



【効率的な読書を習慣化する方法】


本を3種類に分ける


(1)そもそも読まなくてもいい本:
価値が無いのではなく、自分にとって必要のない本


(2)速く読む必要がない本:
小説や翻訳書など。ストーリーがあるコンテンツ。自分がゆっくりと読みたいと思う本。


(3)速く読める本:
ビジネス書や新書など。全体を貫く「線」の要素が少なく、どこから読んでも成立する「切れ目」の多い本。流し読みでも知識、発見を吸収可能。


習慣化に際し、(1)(2)(3)を「0:1:9」の割合にするとよい。



【読書スピードを高める4ステップ】


(1)「はじめに・目次」をよく読む:
機能性に優れた本ほど、優れた「目次」が書かれている。
全体のノリが把握できる地図。熟読すべき場所の見当もつく。


(2)最初と最後の5行だけを読む:
本は「章」「節」「項」というユニットで構成されている。
ユニットの重要度は「序盤」と「終盤」を読めば大体わかる。
最大でも20ページ程度を1ユニットと考え、最初と最後の5行だけ読む。
著者の言いたいこともわかるし、自分にとって必要なユニットか判断がつく。


(3)キーワードを決めて読む:
本を開く目的が明確になり、流し読みもやりやすい。


(4)2つ以上の読書リズムで読む:
「じっくり読む」と「流し読み」など意識的に緩急をつける。


ノリとしては、音楽を楽しむように、気に入ったところだけを読む。
こうして読みながら、本の気になった箇所をどんどん書き写し、その引用リストを読み返すだけで、すぐにレビューが書ける。


※※※


【完璧を求めなくていい】


この本は、生きる術を読書の観点から紐解いているように思います。
そして、不器用でクソ真面目で、いつも損をする人を救済する本ではないかと。


完璧を求める人は、仕事でも効率が悪く、結果を残せません。評価も、実は低い。
自分で完璧なものを作ったと思った時点で、ようやく上司や関係者へ見せても遅すぎるし、的はずれなこともあります。


アバウトなラフ(たたき台)を速攻で作成し、上司や関係者と相談・議論を交わしながら進めていくほうが、結果的に精度の高いものになります。


とりあえず、大体でよいのですよね。なんでも。
気合を入れるのは一部分だけ。
その一部分を見つけるため、最初におおまかに眺めるのです。
計画も立てやすいですし。


学生の頃は、それを知らなかったが為、勉強で失敗しました。
最初の部分で気合を入れすぎて、途中で息切れし、最後まで到達できず挫折の連続でした。
全体を見渡してからやれば、なんてことは無かったのです。
見渡すことで、力を入れなければいけないところなんて、一部分だけだと気づけたのにね。


過去は取り戻せませんが、将来には役立てられます。
これからの読書や勉強に、この術を活用したいと思います。

Posted by kanzaki at 23:17
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