「しんがり」という言葉があります。
・「しんがり」とは戦国時代、後退する部隊の中で最後尾の箇所を担当する部隊のことです。
・しんがりを残して味方のほとんどが退却するため、その働きを見届ける人はいません。
しかし総大将の方から、実力のある武将へ頼むもので、真の実力者でなければ務まらない役目です。
・山登りでも、経験と判断力の一番秀でた人が、隊列の「しんがり」を務めます。
先頭に従いつつ、後ろから全員を気遣います。
ついていけない人、よろけたり足を踏み外したりする人を素早く助けたりします。
・哲学者・鷲田清一さんは、こう語ります。
なんでもかんでも、リーダーにおまかせするのはよくない。
皆が全体に心をくばって、何かあれば手をさしのべられるフォロワーシップこそ、現代社会で重要だと指摘しています。
●しんがりの思想 ―反リーダーシップ論― (角川新書) _ 鷲田 清一 _ 本 _ Amazon.co.jp
https://www.amazon.co.jp/dp/404082007X/
●リーダーに必要な「しんがりの思想」とは? _ ブックス・レビュー _ 東洋経済オンライン _ 経済ニュースの新基準
http://toyokeizai.net/articles/-/75063
※
もう、右肩成長が期待できない時代です。
世の中全体が、「後退する部隊」ともいえます。
だから、「しんがり」が必要なのでしょう。
「しんがり」のような人物ばかりならば、世の中は良い方向へ進むのだろうなあと思います。
なにせ、それだけの実力者でありながら、他者を見渡し、手を差し伸べることができる心を兼ね備えているのですから。
しかし今の世の中、そういう人物は、押しつぶされる傾向にあると思います。
みんなでそういう人を頼ってしまい、オーバーワークにさせてしまうからです。
戦国時代はわからないけれど、今の世の中、「しんがり」を務めたところで、それに見合う報酬や待遇があるわけではありません。
特に、日本の殆どをしめる中小企業では難しいです。
「しんがり」を務めた人は、その後はどうなるのでしょう?
そこが怖いです。
見放されているのに、強制的に組織へは縛られたままですからね。
それだけの実力と見渡せる視野がある人ほど、戦いが終わった後は、静かに身の丈にあった「小さな暮らし」へ移行するのではないのかなと、私は思います。
「あきらめ」というより、「こういうものなんだ」という悟り。
都会→地方、大→小、多い→少ない、重い→軽い
自分自身がそういう生き方へ移行しようと模索中なので、今後も神ナナを読んでいただければと思います。
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