2016年07月26日

たまに、自分が住む街の見慣れた景色が、どこか遠くの地のように感じることがあります

この前の休みの日、画廊で絵を描いていました。
夕方、自宅へ歩いて帰るときのことです。


とても暑く、夕焼けのきれいな時間帯。
道路の反対側には、朱色の大きな鳥居のある神社が見えます。


ふと、自分がいるここは、どこか遠くの見知らぬ別の場所なんじゃないかと錯覚しました。
やけに綺麗な景色に見え、観光旅行をしている最中のように感じたのです。


景色がとても広角にだだっ広く、私の目の中に飛び込んできました。
なんともいえない、とても心が穏やかな時間でした。


たまに、こういう錯覚を覚えることがあります。
自分が住む街の見慣れた景色が、どこか遠くの地のように感じるのです。
たいてい、夕焼けの綺麗な時間帯です。



母にそのことを話しました。
すると、「それはきっと、今が幸せなんじゃないのかな」という言葉が返ってきました。


見慣れたごく当たり前の景色が素敵に見えるということは、景色が変わったのではなく、自分の心が変わったからなんだと。
しかも良い方向に。
世間は変わらずとも、自分の考え方ひとつで世の中は素敵に見えるものだから。



自分の置かれた立場や人間関係、所有している持ち物がアップグレードしたからといって、必ずしも幸せになるわけではない。
ある程度の年齢になると、そのことに気づくものです。
欲は欲を生み、際限なくその枯渇した欲望を満たそうとします。
だから、いつまでも幸せになんてなれない。


すでに置かれた立場や人間関係、所有物に、あらたな価値を見出して笑顔になるほうが、ずっといい。
自分の心が変われば、それだけで幸せは近づく。
青い鳥じゃないけれど、幸せは気づかなかっただけで、すぐそばにあるものなんだと。


こう感じ続けられるように、穏やかに生きたいものです。



(上記で書いた神社とは、この動画で紹介されている白山神社です)

Posted by kanzaki at 23:34
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