2016年09月04日

アインシュタインがノーベル賞受賞後、小さな女の子に算数を教えていたエピソード〜偉大な人物にみる「謙虚さ」

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(作:日本画家・近藤幸夫)

アインシュタインはノーベル賞受賞後、ニューヨークにて、ある少女に算数を教えていたことがあります。
このエピソードは、偉大な人物でも謙虚な生き方をしているという例えで、たびたび紹介されています。


・アインシュタインの住んでいた場所は、大学の研究所の人以外はほとんど知りませんでした。
たまたま近所にある学校の先生が知っていました。


・この先生は、算数があまりにもできない女の子の担任でした。
「どうしてあなたは、きちんと勉強しないのですか?
あなたの隣に算数がよくできる人が住んでいるというのに」


・女の子は、それがアインシュタインだとは知りません。
隣のおじいちゃんに、宿題を教えてもらおうと、隣の家のチャイムを鳴らしました。


・アインシュタインは、ドアを開けたら小さな女の子が立っていたので、「まあ、どうぞ」と家に入れました。


・女の子は、学校の先生が、隣のおじいちゃんは算数が上手だと言っていたことを伝え、教えてもらうことにしました。
アインシュタインはとても忙しいし、既にアメリカの国宝のような存在でしたが、彼女になんのことなく全部教えてあげました。


・しばらくして、女の子があまりにも算数ができるようになったので、先生が理由をたずねました。
女の子は、あのおじいちゃんに教えてもらったことを伝えました。


・先生は驚き、その女の子の母親に伝えました。
先生とお母さんは、アインシュタインの家を訪ねました。
そこで、迷惑をかけたことを謝りました。


・ところがアインシュタインは、こう言いました。
「いいえ、なんのこともないです。
私は何も教えていません。
反対に、いろいろなことを教えてもらいました。
教えてもらったのは、私のほうです」


子供とは比べ物にならない智慧があっても、「いろいろなことを教えてもらった」と言えるほど謙虚なのです。
人間ができているからこそ、子供からもいろんなことを学ぶことができたのです。

(参考)
●怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書) _ アルボムッレ スマナサーラ _ 本 _ Amazon.co.jp
https://www.amazon.co.jp/dp/4901679201/


※※※


もし私に文才があったら、書きたい小説のエピソードのひとつです。


天才学者と女の子。
ある意味、映画「レオン」に通ずる、萌えるシチュエーションです。


謙虚という精神は、日本の専売特許のように思っていましたが、世界共通の精神なのですね。


なかなか謙虚というのは難しいものです。
相手と自分のパワーバランスで、すぐに崩れてしまいがちです。
これはまず、ものごとの考え方を変えていかないといけませんね。


「老子」に「足るを知る者は富む」という言葉があります。
欲深くならずに分相応のところで満足する人は、心が富んで豊かであるという意味です。


謙虚さとしてまず、欲張らず「足るを知る」を身に付けるべきなのかもしれません。
そこで心に余裕ができておおらかになり、いろんなことに対してギスギスせず、受け止められるのかなあと。


そうすれば、「明日」の心配で心を埋めるようなことをせず、日々の「今」を充実できるようなると思います。

Posted by kanzaki at 22:03
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