●特別展「生誕150年 正岡子規展 ――病牀六尺の宇宙」 _ 神奈川近代文学館
http://www.kanabun.or.jp/exhibition/5643/
【会期】2017年(平成29)3月25日(土)〜5月21日(日)、休館日は月曜日(5月1日は開館)
【会場】神奈川近代文学館第2・3展示室
今年、俳人・正岡子規の生誕150年です。
わずか34歳の人生でしたが、短歌や俳句の世界に大きな影響を与えました。
正岡子規の有名な横顔の写真。
あれは、体がゆがんで正面を向けないからです。
弟子に支えられ、どうにか姿勢を保っての撮影。
彼は若くして結核にかかりました。
晩年は、結核菌が骨にまで入り、肉体を芯から腐らせました。
しかし、彼は昔から明るく熱い性格でした。
誰とでもすぐ友だちになれました。
正岡子規は、満4歳で父親を亡くしました。
そんな中、彼の楽天的な性格は、母・八重、妹・律という身内の女性たちによる「無条件の愛」が育んだものです。
大病を患ってからも、みずからを犠牲にし、彼に尽くしました。
そのあたりは、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」をご覧いただければと思います。
身内の女性のまわりに、さらに弟子や支援者、読者が多く取り囲んだ形。
病気に苦しめられた人生ではありますが、私には、今でいうところの「リア充」に思えます。
文学というのは、なんとなく「孤独」が創作に必要だと思えたりします。
しかし、多くの愛や好意を知らないで生きている人が書いても、薄っぺらい文字の羅列にしかならないのではないでしょうか。
正岡子規を通じて、「無条件の愛」というものを再認識するのも良いかと思います。
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