2018年07月30日

「集団化極性化現象」とは?〜多くの人間が集まる組織などの集団的意思決定は、極端な方向に振れやすい傾向がある

kumasan01.JPG

【集団化極性化現象】


「多くの人間が集まる組織などの集団的意思決定は、極端な方向に振れやすい傾向がある」


1961年、マサチューセッツ工科大学の大学院生であるジェームズ・ストーナー氏が報告しました。
これを「集団極性化」と名付けました。


「リスキーシフト」:
個人で物事を判断する時より、集団で物事を判断する時のほうがリスクの高い選択をしやすいという現象。


「コーシャスシフト」:
集団で物事を判断する時に、極端に慎重になってしまう現象。
例)経営が悪化しているにも関わらず、ICT導入・活用などの経営改革を実行せず、現状維持を選択してしまう。


「リスキーシフト」と「コーシャスシフト」を合わせたものを「集団化極性化現象」と呼びます。


この現象がインターネット上で起こることを「サイバーカスケード」と呼びます。


こういった現象が起きる理由は、力を持った集団からはじかれることを恐れ、皆が同じ意見に流れてしまうからです。
「同調圧力」と呼ばれるものです。


インターネット上では、同じ意見・価値観を持つ人間が簡単に短時間で結びつき、広がっていきます。
ネット上で同種意見を持つ集団が出来上がると、異なる意見を排除する傾向にあります。



【パレートの法則】


日本では何事も「多数決」で決めることが多いものです。
しかし、必ずしも多数意見が正しいとは限りません。


それを「パレートの法則」が証明しています。
経済活動における全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部が生み出しているという法則です。


例えば、売上の80%を生み出しているのは、たった20%の顧客である。
社会全体の上位2割の富裕層が、世の中の富の8割を保有している。
機械の故障の8割は、全部品のうち2割の部品に原因がある。
ソフトウェア利用者のうち8割は、全機能のうち2割しか使わない。
物事の本質の8割は、2割を見ればわかる。
100匹のアリのうち、よく働くのは2割だけ。


いろんな場面で、この8:2の比率が作用しているのです。


※※※


組織の中で、適切な方向へ判断を導ける人というのは、それはもう才能だと思います。
否、「人格」と言えるのかも。


そんな中立的な判断・精神の持ち主になりたいものです。


けれど、集団にいるからこそ、そういう人にはなれないのかも・・・。


kumasan02.JPG

Posted by kanzaki at 23:10
Old Topics