2020年11月03日

『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』の感想〜煉獄杏寿郎 (れんごくきょうじゅろう)のような組織の上司になりたいと、オッサンに感じさせる良い内容でした

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映画「鬼滅の刃」を観てきました。


●劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編公式サイト



劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 予告編第1弾 2020年10月16日(金)公開



『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中PV

●TVアニメ鬼滅の刃「全集中展」公式サイト
(2021年2月、新潟で開催されますよ!!!)



・11月1日(日)の「映画の日」に行きました。
ほとんど予約で埋まってしまい、当日になってネットで座席予約した際には「クズ席」しか残っていませんでした。
最近は、ネット予約が当たり前になっているのですね。
田舎の映画館ですら一日に何度も上映しているのに、唯一まともに座席がとれたのが、夕方4時からという中途半端な時間帯だけでした。


・やはり、幼いお子さんを連れたお父さん、お母さんの姿が目立ちます。
いくら映画の日とはいえ、家族全員分の映画チケット代とドリンク代(食べ物の販売は中止中)は、かなりの出費です。


子供たちは、竈門炭治郎をイメージした黒と緑色の柄のマスクや、禰豆子をイメージした髪飾りをしていたり。
みんな静かに鑑賞していたのが印象的でした。
さすがに2時間もあるせいか、途中で親御さんに連れられトイレへ行く姿を結構見かけました。


真剣に観ているせいか、笑ったり驚いたりする様子もありません。
唯一、声を出して反応していたのが、眠っている炭治郎を禰豆子が頭突きをして目覚めさせようとして、逆に額から流血してしまうギャグシーンぐらいでした。


・今回の映画の最大の特徴は、「途中から始まって、途中で終わるところ」ではないでしょうか(よい表現だと思ったのですが、すでにネットの記事で使われていました・・・)。


通常のアニメ映画(コナン、ドラえもん、クレヨンしんちゃん等)は、映画単体の一話完結になっています。
それだけで成立するし、映画を観なくてもTV版だけで成立する「外伝」みたいなもの。


今回の「鬼滅の刃」の場合は、TVアニメの続き(原作の7巻〜8巻)です。
長いストーリーの中の一部を映画化しているのです。
だからこれを観ないと、今までのTVアニメ版と、いずれあるであろうTV2期や映画2作目とつながらないのです。


主人公たちのこれまでのエピソードや、この映画が終わった後の先の展開については一切触れていません。
TVアニメや原作などで、この映画のエピソードより前を把握しているのが前提です。


「予習済みの人」だけに作られた作品構成なのですが、それが大ヒットしているのが、映画業界に携わる人にはじつに興味深い現象です。


・もともとTVアニメ版すら、劇場版クオリティだったのですが、今回の作品も綺麗な映像が動きまくります。
CGとの調和性も抜群ですし、劇場ならではの音響の良さも満足できますね。


主に列車の中という閉鎖空間、そして鬼と戦う関係上「夜」という暗い画面・・・そういった制約があるはずなのに、アニメだからこそできる現実とは異なった表現方法で楽しめました。


夜だからこそ、いろんな動きやエフェクトに、「光」とか「輝き」みたいなものを散りばめられて綺麗なのです。


・今回の映画は、ある意味2部構成。
主人公_竈門炭治郎(かまどたんじろう)を中心とする、走行する列車内での戦い。
煉獄杏寿郎 (れんごくきょうじゅろう)という、主人公たちが所属する組織の偉い人を中心とする、列車が停まってからの戦い。


主人公はまだ未熟な部類だから、映画後半の強敵は、組織の偉い人が相手をします。
強い敵がいきなり登場する、この唐突感や理由が語られていないのがちょっと残念。


この映画、「途中から始まって、途中で終わるところ」も特徴ですが、「クライマックスの戦いが、主人公ではない」というのも特徴です。


しかも煉獄さんは、TVアニメの方にも出てはいたものの、戦い等の活躍はしておらず、顔出しだけですからね。
アニメ版だけで語るならば、ある意味「映画のみのオリジナルキャラ」的な立場です。


主人公たちとの交流も、そこまであるわけじゃないです。
幾度もの交流を重ね、その上で今回の劇場版につながり、そして今回の映画後半の主人公的な立場になるなら分かります。
しかし、そういうものはありません。


・そういうものはありません・・・とは書いたものの、それでも映画を観ている最中は、そんなに違和感は感じませんでした。


確かに、主人公たちとの交流は浅いですが、映画の後半の主人公的として、煉獄さんの幼いころからのエピソードを盛り込んだり、組織の上役としての精神の良さは理解できるからです。
説明台詞とか言葉だけで展開させ、観客に理解してもらう部分は、決して無いわけではありませんが・・・。


・私のような組織に所属するおっさんとしては、煉獄 (れんごく)さんのようなキャラは憧れます。


(1)そもそも能力が高い。
(2)判断が的確で即決。そしてそれを部下へ適切に説明できる。
(3)若い部下の芽をつまず、彼らを守ってあげる。


こんな上司に私もなりたいものです。
どれひとつ満足にできていないのですが、特に(2)の能力の欠如は致命的です。


マンガ・アニメのキャラクターとはいえ、作戦内容を瞬時に考え即決し、そしてそれを炭治郎たちへ短時間で説明できるシーンがよかったですよ。


炎のエフェクトが乱れ咲く必殺技のような派手さはありませんが、私はそちらに痺れました。
もっとたくさん、この人のエピソードを観てみたかったです。


人気があるので、外伝とかに期待できそうですね。

Posted by kanzaki at 11:27
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