最近、母と同年代の方々が亡くなっているのを良く聞きます。
以前はお会いする機会もあったのですが、疎遠になっていたので、突然の訃報に驚くばかりです。
世間では平均寿命が延びているはずですが、それよりずっと若い方ばかり。
だんだん、「死」とか「永遠の別れ」というものが自分の身近になってきており、漠然とした不安感があります。
この漠然とした不安感は、単なるイメージだから、払拭するのが難しいです。
最近は4時30分起きとか、早寝早起きを実践しているおかげで、そういう不安感を感じている暇が無いのは幸いです。
夜と違って、朝はそこまでネガティブな思考に陥らないですからね。
この不安感が増大すると、夜に寝ることすら出来なくなるのでしょうから、それには気をつけないといけませんね。
※
上の世代の方々が引退したり、お亡くなりになると、当然、世代交代していかなければいけません。
本来なら私自身が、いろんなことを判断・決断して行動しなければいけない。
しかし性格なのか、世間の情勢としてロクなことが無く恩恵を受けたことがないせいか、そういった気力が欠けています。
最近、「徒然草」を少しずつ読んでいるのですが、兼好法師というのは『観察者』なんですよね。
兼好の生きたこの時代は、鎌倉幕府がすでに滅亡し、後醍醐天皇による建武の中興の時期を経て、さらに南北朝の内乱に入る動乱の時代でした。
下剋上がはびこり、人々の価値観は変わり、人間の欲望が前面に出て、奢侈(しゃし・身分以上の贅沢)が横行していました。
兼好は、日常的に聞こえて来る具体的な醜聞、その批判を書き付ける事をしませんでした。
「耳が汚れる」「筆と紙が汚れる」からだそうです。
そして、異国の古い時代の人物の話を書きました。
観察者である兼好は、常に第三者。
自己の魂が薄ら汚れるまでに、他に憧れる事も、批判する事もあってはならなかったのです。
人は孤独を突き詰めると、ただの観察者となります。
さまざまな悩み苦しみや否定的な気持ちと一定の距離を取り続けることで、心の平穏を保っていたのかなあと思っています。
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