2020年11月25日

「侵害受容」〜人は他人の痛みを本当に感じることができます

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人は他人の痛みを本当に感じることができます。


これは脳内の「前帯状皮質」という部分の働きです。
さまざまな苦しみを感じることができます。


不思議なのは、体の痛みと感情的な痛みは区別されないことです。
腕が傷ついたときも、心が傷ついたときも、反応は一緒なのです。


そして他人と共感する能力が高い人ほど、脳の前帯状皮質が活発に動き、相手の痛み苦しみを感じるのです。



自分に害のある刺激への反応として、血圧上昇、瞳孔の拡張、発汗、脈拍数の増加などがあります。
こういった形で、痛みを知覚することを「侵害受容」といいます。


痛みを感じるとか嫌だと誰もが思います。
しかし、これが無いと生きていけません。


先天性無痛無汗症(CIPA)という難病があります。
25歳以上は滅多に生きることができません。


痛みを感じないので、骨を折ったり、ヤケドをしたり、ケガなどをしても、血やあざを自分の目で見るまで、気づけないのです。
そのため、複数の傷による重度の感染症で命を落としてしまうのです。



亡くなった愛する人のことを想うと、胸が痛くなるというのも、この働きのせいなのかもしれませんね。


日常生活において、自分の体がどういう反応を示しているかをじっくり観察するということは正直ありませんよね。
きちんと自分の体と向き合い、どういう反応を示しているのかを感じ取ってみましょう。


現在は、誰も予想したことが無い事態が、身の回りで次々起きています。
自分の心と体が追い付けないことも多々あります。


様々なストレスによって、自分で自分の命を落とす人が後を絶えません。


我慢とか無視するのではなく、じっくり自分の反応を観察してみましょう。
もし、自分の心と体がSOSを発していたら、専門医に診てもらうのが良いと私は思います。

Posted by kanzaki at 07:01
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