甲子園・夏の高校野球が行われています。
雨で順延となり、関係されている方々はとても大変かと思います。
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●『渡る世間に鬼千匹 (PHP文庫)』(橋田壽賀子 著)より
単細胞の私は私なりに、高校野球から多くのものを教えてもらった。
高校野球は、まさしく人生のドラマでもあるからだ。
高校野球は残酷なドラマだ。
プロ野球と違って、たった一度のチャンスしかない。
それが、私の心をとらえる。
あとのない試合に、たった一球のミスが勝敗を決める場面を何度みたことだろう。
私の仕事も同じで、決して一作のミスも許されない。
一つでも気を抜いたやっつけ仕事をすると、たちまち仕事がこなくなる。
一作一作を精魂こめて書くことを教えられたのも、高校野球だった。
仕事がうまくいかなくて、挫折感にうちのめされているとき、九回裏二死から逆転した試合をみた。
私にだって、まだ逆転のチャンスはあると、そのとき、教えてもらった。
決して試合を捨てない粘りが、私の目を開いてくれたのだ。
人生を諦めまい……。
私は今でもその試合を忘れはしない。
また、私は、勝ったチームより負けたチームに心惹かれる。
何度も挫折を繰り返してきた私には、勝者より敗者の方がずっと身近に感じられる。
甲子園を去る彼らの汗にまみれた顔をみつめながら、私は祈る。
たとえ負けても、それまでのきびしい訓練は一生彼らの人生を支えていくだろう、敗北の挫折感さえも決して無駄ではない……そういう人生を送って欲しいと……。
そして、私も、そうありたいと願うのである。
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橋田壽賀子先生の文章はさすがです。
とても読みやすい。
きっと、読む側の目線で書いてくれているからではないかと。
こういうのを本当の意味で、大人の文章だと感じます。
私の仕事は、さすがに一つのミスも許されないというわけではありません。
しかし、リカバリーの苦労を考えると、ミスは無い方がいい。
いろんな事をこなしてきて、その経験の積み重ねが次に活かされているような気はします。
問題は、その経験が「自分の仕事上だけ」でしか活かされておらず、社外での人生に活かされていないということ。
人生全体で見た場合、疲弊し、視野が狭まっているように思います。
仕事のクオリティを上げていくには、それだけ自分の生活を費やす必要があるからです。
まあ、趣味が無いとこうなってしまいますよね。
こういう生き方はおススメしません。
そうそう逆転のチャンスは無いので、消耗しつくされておしまいです。
高校生たちは卒業後、進学・就職がありますから、経験が大いに役立つでしょう。
私に限らず大人の場合、次のステージが無いので、今の場所で無限ループしているだけです。
そう思っているのは、やはり視野が狭まっているからかもしれません。
次のステージをみつけねば。
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