2021年10月30日

「啄同時(そったくどうじ)」〜両者にとって絶好のタイミングのこと

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(北海道から贈られてきた自然の恵み)

●『禅、シンプル生活のすすめ (知的生きかた文庫)』(枡野 俊明 著)より


「啄同時(そったくどうじ)」という言葉があります。


雛が卵から孵ろうとするとき、なかから合図のように殻を吸ったりつついたりします。
一方で親のほうはその合図を聞きながら、外側から殻をつついてやる。


これはとてもデリケートな作業で、雛の体ができ上がっていないうちに親が殻を割ってしまうと、雛は死んでしまう。
雛が殻をつつく音をしっかりと聞きながら、よしもう大丈夫だと思ったところで、丁寧に外側から殻を割ってあげる。


つまり「啄同時」とは、両者にとって絶好のタイミングのことを言うのです。


これは、子育てはもちろん、上司と部下といった師弟関係にも通じることです。
相手を育て上げるときは、急ぎすぎてもいけないし、のんびりしすぎてもいけない。


育ててもらうほうは、それなりの合図を相手に送る必要がある。
二人のタイミングが合ったとき、最良の結果が生まれるものです。


※※※


こういう言葉があるのですね。
親子関係、師弟関係など、確かに絶好のタイミングというのがあります。


ここ数年、仕事をしていて思うのが、「なんだか全部、偶然の繰り返しでなんとか出来た」ということです。


仕事で無事完了したのは、偶然が積み重なったから。


その偶然は、
「たまたまその時に、特定の人と話し合いが出来た」
「たまたまこういう仕組みを用意していたおかげで、実施することができた」
などです。


それらは全て、相手がいること。
お互いが絶妙なタイミングでやりとりし、行動したから成功したのです。


まさに「啄同時(そったくどうじ)」の連続でした。


絶妙なタイミング過ぎて、事前にその時を予測できません。
だから不安が襲ってくることがあります。
本当に怖い。


しかし、なにかしら事前準備、情報収集していたから、その絶妙なタイミングで切り出せたのは事実です。


何歳になっても、仕事の不安は消えません。
消えないけれど、日々、まずは自分が出来ることを実践し、いつでも相手とやり取りできる態勢だけは整えておきたいです。
Posted by kanzaki at 07:06
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