2021年11月06日

「ただ、人の役に立ちたいから、やっている」と思うようにする

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●『不安を心から解き放つ1冊の本』(植西聰 著)より


【「役に立ちたいから、やっている」と考える】


自動車産業の育ての親といわれるヘンリー・フォードは、「見返りを期待しなくなったとき、倍の報酬がやってくる」と言いました。


ところが、多くの人は他人に何かを与えると、「これだけのことをしたのだから、何かお返しがほしい」と無意識のうちに見返りを期待してしまいます。


しかし、そのような打算的な気持ちは、相手に伝わってしまうものです。
では、なぜ人は見返りを欲しがるのでしょうか?


それは、世の中の多くの人が「ギブ&テイク」の意識で動いているからです。
たとえば、自分の労働量に見合ったお給料を会社からもらえるから頑張って働こうとします。
これが、いくら働いてもお給料がもらえなかったとしたら、これ以上働きたくないと思うはずです。
これは当然のことでしょう。


たいていの人は、この状態に慣れてしまっているので、たとえ自分が親切でしたことでも、見返りを求めてしまうのです。
そして、見返りがないと、「私のしたことは、なんの価値もないこと?」と不安になってしまうのです。


これでは、せっかくの善意がマイナスの感情にすり替わってしまいます。
ですから、人に与えるときは、見返りを期待するのをやめましょう。


そして、「ただ、人の役に立ちたいから、やっている」と思うようにしましょう。
すると、見返りがあるなしに関係なく、動じない強い心を持つことができます。
その強い心があれば、不安が襲ってきたとしても、すぐに打ち消すことができるのです。


※※※


SNS全盛のこの時代、「承認欲求」が高まるのも無理がありません。
見返りは、承認欲求のひとつ。
自分の存在感を確かめる指標にしてしまいがちです。


私自身、そういうところが無いとは言いません。
けれど、なるべく表面に出さないようにはしています。


相手に感謝を期待しない。
期待すると、見返りが無かったとき、意味もなく「怒り」があらわれてしまうからです。


「ギブ&テイク」は考えない。
「ギブ」だけでいい。
そして、謙虚で静かに過ごせればいい。
ただそれだけを願う日々です。
Posted by kanzaki at 10:22
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