2021年12月02日

「国債」という名の貯金

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●『調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意 (SB新書)』(佐藤 優 著)より


そこで重要となるのが、「取り分け」の発想だ。
賢く消費しつつ、そこで生じた余剰金を賢く取り分けられるかどうかで、将来の可能性は大きく変わってくる。


過剰消費をせずに、一定額を、安心のために取り分けておくことも、知的生産の重要なインフラ整備の要素というわけだ。


お金を取り分けるためのキーワードは、「貯める」「殖やす」「残す」の3つだ。


まず、最初の「貯める」は国債を買うことである。


「貯める」といいながら、ここに「貯金」が含まれていないことを不思議に思った人は多いだろう。
もちろん一定額の貯金は必要だが、これは、あくまでも「万が一のときの取り崩し用」と考えることだ。


貯金なのだから、もちろん「簡単に手をつけてはいけないお金」ではある。
しかし同時に「入り用となれば、すぐに引き出せるお金」であり、「貯める」のうちに含めないほうがいい。

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なぜ、国債に特定したかというと、国債は、簡単に換金できない金融資産だからである。


人間は意志の弱い生き物だ。
普通預金に入っているお金はもちろん、定額預金でさえも、「ちょっと借りるつもり」で、つい使ってしまうことがある。


引き出すときは、「次に給料が入ったら、ボーナスが出たら、返せばいい」と思っていても、自分との約束ほど破られやすいものはない。
こうして、日を追うごとに貯金が減っていってしまう。


これが目に見えるところにお金がある弊害だ。
だからこそ、貯金は、「万が一のときの最低限の安心料」にとどめ、それ以上のお金は、簡単に取り崩せない形にしておいたほうがいい。
それにうってつけなのが、国債なのである。  


国債を避ける人もいるようだが、国債ほど安全な金融資産はない。
国債が償還できないことがあったら、それは国が危ういときだ。
国が危うくなれば、当然、銀行預金はもっと危うくなる。


国債に不信感があるとしたら、よくマスメディアでいわれる「国の借金」というイメージに振り回されているだけだろう。
「日本国債大暴落が近い」などと騒いでいる「専門家」「識者」もいる。
こういう言説に惑わされることこそ、インプットの技法が磨かれていない証といってもいい。


国債でハイリターンは望めないが、銀行に預けておくよりはずっと利率が高い。
国債価格が上がったときに換金すれば、売却益を得ることもできる。
売らずにもっておいても、償還(国からの返済期限)を迎えれば、元本がまるまる戻ってくる。

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ここで国債をすすめている理由は、簡単に取り崩せないように、お金を塩漬けしておくためだ。


重要なのはフローではなくストック、つまり国債の利子や売却益で儲けるというよりは、国債という形で一種の貯金をすると考えてほしい。


一定額の貯金ができたら、それ以上のお金は、まず国債に回せばいいと思うが、簡単に換金できない安全資産という意味では、現物の「金」を買ってもいい。


金の価格は変動するが、価値がゼロになることはない。
金を買うなら、500グラム以上買うことをすすめる。


500グラム以下だと換金手数料が高くつくからだ。
「貯める」では簡単に換金できないことが重要だが、もちろん、いつかは換金する。
そのときに、せっかく投じた資金が目減りして戻ってくるのは、誰だって避けたいだろう。


ただし金は、盗まれたらおしまいである。銀行の貸金庫に入れておけば安心だ。
当然、使用料はかかるが、以前より安く使えるようになっている。


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新潟県に住んでいる社会人ならばお分かりの通り、全体的に給料が少ないです。
若く才能のある人は、それが理由で首都圏へ出てしまいます。


私は残念ながら若くないので、そういうチャレンジはできません。
しかし、将来を考えると不安になるばかりです。


貯金できるほどの収入はありません。
思い切った投資は、リスクの方が高いです。
それでもなにかしら対策を考えねばと思います。


なるほど、「国債」というものがりましたね。
実際にやるかどうかはともかく、簡単に取り崩せない仕組みとしてはありですね。
儲けのではなく、貯金の一種として考えるわけです。


実際に国債に手を出すかどうかはともかく、「簡単に取り崩せない仕組み」というものを考える一つの判断材料になりました。
Posted by kanzaki at 06:58
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