監督・・・片山慎三
原田智(主人公)・・・佐藤二朗
原田楓(主人公の娘)・・・伊東蒼
山内照巳(自殺幇助による連続殺人犯)・・・清水尋也
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大阪市西成区などを舞台にした作品です。
あまり、テレビの映像では映し出されない、日本のもう一つの顔です。
朝ドラのような綺麗な映像は一切ありません。
登場人物を見ても、聖人君子は誰一人いません。
そこへ殺人や流血、グロい映像をのせているので、地上波でのオンエアは不可能です。
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この映画は、「倫理観のこちら側」と「あちら側」のギリギリを揺れ動く主人公を描いています。
・倫理観のこちら側(まっとうな考え。社会で普通に生きる)
・倫理観のあちら側(ヤバイ考え。法を犯しながら生きる)
「倫理観のこちら側」の象徴が、主人公の娘です。
「倫理観のあちら側」の象徴が、連続殺人犯の青年です。
佐藤二朗さんが演じる主人公は、本来はまっとうな人間でした。
劇中の行動を見るに、本来はなかなか頭が良いキャラです。
嫁さんが重度の病気で、精神的におかしくなり、自分を殺して欲しいと言いだします。
それによって、主人公の精神にも変化がおきます。
連続殺人犯と出会い、一緒に妻の自殺幇助 (じさつほうじょ) を行います。
そこから主人公は、「倫理観のあちら側」へ行ってしまいます。
このままではいけない。
主人公は「倫理観のこちら側」へ戻るために、連続殺人犯を殺そうとします。
残念ながら、主人公に一度芽生えた「倫理観のあちら側」の精神は、もう治しようがありません。
それにどうブレーキをかけるかが、この映画のクライマックスとなります。
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終始、殺人ばかりですし、救いがありません。
前半は主人公の娘が、行方不明になった父親探しのサスペンスで、流れるように話しが展開していきました。
このまま続けば良かったのですが、最後の事件現場へかけつけたところで、それも終了。
後半は、主人公がどういう経緯で「倫理観のあちら側」へ行き、連続殺人犯を殺すに至ったかの経緯を描きます。
2部構成になっており、しかもいきなりシフトチェンジするので、観る側に戸惑いがあります。
観る側も、そもそもこの映画のジャンルが良く分からないで映画館に入った人も多いと思います。
予告や公開情報だけだと、そのへんが曖昧ですから。
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この主人公のように、本来はごく普通のまっとうな人間だったのに、置かれた状況によって行動や思考に変化が起きるのはよくあることです。
その変化が、最悪な方向へ向かってしまった・・・それが、この映画の主人公です。
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