2022年06月05日

「トップガン マーヴェリック」を観た感想〜エンタメ洋画最高。みんなが望むベストな形の続編

topgun02.jpeg

●映画『トップガン マーヴェリック』公式サイト
https://topgunmovie.jp/


・監督/ジョセフ・コジンスキー
・出演/トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー

【あらすじ】
トム・クルーズを一躍スターダムに押し上げた1986年公開の世界的ヒット作「トップガン」の続編。
アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校トップガンに、伝説のパイロット・マーヴェリックが教官として帰ってきた。
訓練生たちは彼の型破りな指導に戸惑い反発する。
その中には、かつてマーヴェリックとの訓練飛行中に命を落とした相棒グースの息子ルースターの姿もあった。
ルースターはマーヴェリックを恨み、彼と対峙する。

2022年製作/131分/アメリカ



映画『トップガン マーヴェリック』ファイナル予告


※※※


【コメント】


久々に、「エンタメ洋画最高!」と思える内容でした。
併せて、「みんなが望むベストな形の続編」でもありました。


前作を尊重した作品だなあと感心しました。
「韻を踏む」と云えばよいのでしょうか。
単に世界観が続いているだけではなく、前作の名シーンをオマージュした構成・絵作りとなっています。
ですので、鑑賞前には是非とも前作を観ておいて欲しいです。


大抵、続編公開前は、テレビで前作を放映しますよね。
しかし、現実に戦争が巻き起こっている最中なので、放映されないのは残念です。


36年ぶりの続編。
観客は最前列以外はほぼ満員(朝一番の上映なのに!)。
前作を若い頃に観たであろう年代の方々が多かったです。


上映早々、前作の冒頭を再現したかのような映像とテーマ曲「デンジャーゾーン」。
逆光を背に、戦闘機が空母から飛び立つシーンは最高ですね。
前作で創られた「トップガン・ワールド」へ観客を一気に引き込みます。


前作は云ってみれば、優秀な戦闘機乗りの学園モノでした。
昔のフジテレビのような、トレンディードラマ感もあり華やかです。
世の中的にも、イケイケというか、まだまだ右肩上がりなところがありましたよね。
今回は世の中が低迷し、暗い雰囲気である背景を感じさせます。


とても難しいミッションを遂行するため、優秀な若手パイロットを集め、数週間後の実行に備えて訓練するのが前半。
若い戦闘機パイロット達を指導する教官が、前作の主人公となります。


後半は、そのミッション遂行を描きます。
ですので、前作よりも実戦シーンの時間がものすごく多くなっています。
しかも、CGに頼らない実写でのドッグファイトは凄いです。
ミッションの遂行上、狭い場所を超低空飛行するので(スターウォーズ1作目のデス・スター攻略作戦を思い出す)、背景がどんどん変わっていくアクロバット航法は見応えがあります。


前作と異なる撮影アングルで一番の注目は、搭乗者を真正面から操縦シーンを映し出しているところでしょうか。
高速飛行でグルグル動き回る風景を背に、本当のG(重力)に耐えながら操縦する表情は正に「本物」です。
戦闘機のコックピットにカメラを取り付け、俳優がカメラを操作して撮影しました。
(「シン・ウルトラマン」にて、役者がiPhoneで自撮りしながら演技する方法に似てますね)


観客が戦闘機のコックピットに乗り込んでいるように体感させる飛行シーンの臨場感は、正に大きなスクリーンで鑑賞するのにぴったりです。
スマホの画面では味わえません。


戦闘シーンで一番ニヤニヤし、最高に盛り上がったのは、主人公が前作で操縦していた戦闘機「F-14(トムキャット)」で、現代の最新鋭機と戦うところでしょう。
現実だったら勝てるわけはないのですが、これはエンタメ映画。
現役機で戦い破損→大昔の愛機に搭乗。
エンタメとしては最高のシチュエーションです。
(昔、「エルガイム」というロボットアニメがあったのですが、これも最終回で同じようなシチュエーションがあり、幼心に興奮しましたよ)


前作にて主人公は、過信から相棒を訓練で死なせてしまいます。
その息子は主人公を憎んでいる。
(とある理由で、主人公は相棒の息子を軍隊へ入隊できないようにしていた)
けれど戦闘の最中、主人公は昔の愛機を相棒の息子と同乗し、操縦して戦う。
その中でやがて和解していく・・・。
ベタですが、続編としては最高の着地点でしたよ。


前作もそうなのですが、主人公のライバルや周りの人間が、そんなに悪いヤツじゃないのですよね。
前作のライバル「アイスマン」も久々に前作を観たら、嫌な感じはありません。
特に後半、主人公が相棒を失ってからの周りのフォローは温かい。
(今回もアイスマンが登場します。
役者本人が喉頭がんの治療で喋るのが困難なのですが、それでも尚演技する姿と、本作での主人公の良き理解者像がマッチして、グッときます)

今回も前作同様、最初は嫌な感じを醸し出しているキャラも終始陰湿ってわけじゃないし、やはり最後はいいヤツ感。
観ていて気持ち良いものです。


主人公を演じたトム・クルーズさんは、常に映画界の最前線を走り続け、尚且つ作り手としても奔走してきたので、全世界の映画ファンをいかに楽しませるかを意識しています。
今、59歳だそうですが、劇中では年長者としての風格もありながら、どこか幼さ・可愛げのある目の表情を魅せます。
これがスターというものかと、再認識しました。


本作上映前に、来年公開予定の「ミッション:インポッシブルシリーズ」最新作の予告も流れました。
60歳の来年も、ハリウッドスター_トム・クルーズさんの活躍がますます楽しみですよ。

Posted by kanzaki at 07:35
Old Topics