●『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』(出口 治明 著)より)
たとえば、選挙の投票日に、「ロクな候補者がいないから、投票には行かない」と政治への不信や無関心を口にする若者がいます。
「○○党は好きじゃないし、△△党はひどい体たらくだし、××党は何がやりたいのかわからないし、どこにも投票できないじゃないか」と言うわけです。
それでも、選挙には行くべきだと僕は考えています。
なぜなら、そもそも選挙は「より良い人」を選ぶための仕組みではないからです。
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100年近く前に、連合王国(イギリス)の名宰相、ウィンストン・チャーチルは、次のように明言しています。
「選挙とは、必ずしも信用のおけない候補者たちの中から、相対的に良さそうな人を選ぶ『忍耐』のことである」
政治家を目指しているからといって、候補者が立派な人ばかりとは限りません。
目立ちたい人とか、利得にありつきたい人とか、金儲けしたい人とか、かっこいい演説をしてちやほやされたい人とかも含まれています。
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チャーチルが
「民主主義は最低の政治形態である。ただし、これまで試されてきたすべての政治制度を除けば」と考えたのは、選挙が「必ずしも立派であるとは限らない候補者の中から、少しでもマシな候補を選び出す忍耐そのもの」だったからです。
チャーチルの言説を知っていれば、「こんなアホらしい選挙、バカバカしくて、行けるか」という、誤った結論にはならないと思います。
仮にロクな候補者がいなくても、「ああ、チャーチルが言ったとおり忍耐だな。なるほど、チャーチルはえらいな。
じゃあ、この中で誰を消去法で選ぼうか」と考えることができると思うのです。
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【コメント】
私は必ず選挙へ行きます。
当日ではなく、期日前投票です。
以前にも書いた通り、私は世間一般的なニュースを読みません。
報じているのものは、私の心を痛めつけるような内容だからです。
昔から政治にも興味がありません。
世の中をどうこう変えようとか、そういう気構えもありません。
その分野は人に委ねます。
だから、選挙へ行くのです。
立派な考えなど無くても、投票はできます。
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