2023年01月01日

佐々木マキさん『やっぱりおおかみ(1973年)』

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やっぱりおおかみ 【読み聞かせ】 絵本


佐々木マキさんの描いた『やっぱりおおかみ』(福音館書店)という絵本があります。


佐々木マキさんは1966年に雑誌「ガロ」(青林堂)でマンガ家としてデビューし、初めての絵本が1973年の『やっぱり おおかみ』です。


一人ぼっちのおおかみが、いろいろな村を渡り歩きます。
ウサギや豚など、仲間を探そうとするのですが仲間になれません。
おおかみが仲間がほしくて近づいても、自分の姿を見るとみんな逃げていくのです。
最後、おおかみは一人ぼっちを肯定的に認めて、一人で歩み始めるのです。


仲間外れ感を肯定的にとらえた内容。
これが1973年の作品というのが驚きです。
「多様性」と叫ぶ令和の現代に発表したと言われても、まったく違和感ありません。


1970年代だったら、仲間外れの子がなにかをきっかけに皆と友達になるというのが王道だったと思います。
「一年生になったら、友達100人できるかな」と歌っていた時代ですから。


今年最初の更新に、この作品を取り上げたのは、今の自分の心境に重なったからです。


自分を大切に、自分を主体に歩んでいきたいと思います。

Posted by kanzaki at 13:02
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