2023年02月05日
映画『イチケイのカラス』の感想〜フジテレビのドラマの映画化なのに面白い
●映画『イチケイのカラス』公式サイト
https://ichikei-movie.jp/
監督：田中亮
原作：浅見理都
脚本：浜田秀哉
出演：竹野内豊、黒木華、斎藤工、向井理、吉田羊
【あらすじ】
講談社「モーニング」で連載された浅見理都の同名コミックを原作とするテレビドラマ「イチケイのカラス」の劇場版。
入間みちおが東京地方裁判所第3支部第1刑事部（通称・イチケイ）を去ってから2年が過ぎた。
岡山県瀬戸内の長閑な町に異動した彼は、史上最年少の防衛大臣に対する傷害事件を担当することに。
みちおは事件の背後にイージス艦の衝突事故が関係していることに気づくが、航海内容は全て国家機密のため調査は難航する。
一方、イチケイでみちおと共に数々の事件を裁いた坂間千鶴は、裁判官の他職経験制度により、弁護士として働き始める。
偶然にもみちおの隣町に配属された坂間は、人権派弁護士の月本信吾と組んで小さな事件にも全力で取り組んでいく。
そんなある日、町を支える地元大企業に、ある疑惑が持ち上がる。
2023年01月13日公開/119分
【予告】映画『イチケイのカラス』
※※※
【感想】
フジテレビのドラマの映画化なのに面白い!!
これが私の感想です。
前回、映画『Dr.コトー診療所』を観てがっかりした私。
●映画『Dr.コトー診療所』の感想〜ファンは"変わらない"を期待していたと思う
http://kanzaki.sub.jp/archives/005316.html
ドラマが映画化するとスケールアップの為、大抵は大災害か国家権力にたてつくかします。
そして、ドラマの時の魅力が大きく失われてしまいます。
実は、「イチケイのカラス」のドラマ版は一度も観ていません。
なので、予備知識ゼロです。
予告では、国家権力にたてついた感じだったので、全く期待せずに観に行ってきました。
本日、日曜の朝8時台から、映画館は激混みでした。
「鬼滅の刃」が公開されたからでしょうか。
家族連れが多かったです。
「イチケイのカラス」は公開からずいぶん経っているのですが、前3列以外はほぼ満員でした。
朝一番の上映回だというのに。
ドラマが相当人気だったのでしょうね。
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小さな事件や大きな事件の数々が、最後に一つになる展開はうまかったですよ。
国家権力とか大きな話しも絡んでいるけれど、そこはあまり過剰になっていなくて良かったです。
登場人物たちのコミカルなキャラのおかげもあり、 小気味良いテンポで話しが進んでいき、あっという間の2時間でした。
基本、今回の作品に大悪党は出ていません。
それも良かったです。
みんな、それぞれに抱えた事情があるだけで、基本は善人なんです。
だから、主人公の裁判官がみんなを諭す際の言葉が、とても染み入りました。
主人公である裁判官が、座っている場所から下へおり、みんなに向かって語り掛けるシーンが良かったです。
裁判官が下へおりて、みんなと同じ目線で話すシーンというのを私ははじめて観たかもしれません。
その諭すように話す姿は、昔だったら学園モノの先生だったように思います(金八先生とか)。
時代は変わり、先生は自分の信念で行動したり、発言がしにくい時代となりました。
ある意味、今の時代、その役割が裁判官になったのかもしれません。
今回取り扱った事件は、ある意味、ビターエンドです。
みんなが選んだ結論は切ない。
しかし実は、当事者達はそれを望んでいたのかもしれない。
部外者である主人公たちによって、変わることができた。
ドラマの映画化は、スケールだけが大きくなって、登場人物たちの感情が置き去りになりがちです。
しかし今回の作品は、ちょうどいい塩梅。
みんな本来は善人だからこそ、悩み苦しんでいるからドラマ性がある。
舞台が、均一化した東京ではなく、地方の特殊な事情のおかげだとも思います。
うまく、脚本に落とし込んでいますね。
また、大きな工場で起きる内容が中心なのですが、工場の景観自体に特殊性・非日常感があり、映画のスクリーン的にも見栄えがしますね。
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主人公である竹野内豊さん自体はあまり動き回りません。
ある意味、神目線の立場。
人を諭す立場。
実は、そんなに出演時間は多くないのですが、法廷での言動はさすが主人公です。
その分、黒木華さんが演じるキャラクターが大いに動き回ります。
一人では戦力不足なので、斎藤工さん演じるキャラクターが同行します。
この2人による活躍も良かったです。
主人公が神目線の立場なので、ある意味、この2人が主人公みたいな内容でした。
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私が後悔しているのは、ドラマを観ていなかったこと。
ドラマ版での活躍をこれから観てみようと思います。