●『自分のままで暮らす』(吉沢久子 著)より
知人の結婚式に招かれたとき、新郎の恩師であった坪田譲治先生が、祝辞のスピーチに立たれました。
その中で、こうおっしゃったのです。
「望みは小さく持ったほうがいい」
この言葉を聞いたとき、私ははっとしました。
目からウロコが落ちるとは、こういうことなのだと思いました。
あまりに大きな望みを持つと、そこにたどり着くまでの道のりは、長く険しいものになります。
望みにたどり着けず、挫折することもあるでしょう。
それは心にいらぬ傷を残します。
----------
叶えられるくらいの小さな望みなら、そこにたどり着いたときの達成感を得られますし、また次の望みを実現しようと一歩踏み出せます。
だから、「望みは小さく持ったほうがいい」と言われたのだと、私は思いました。
考えてみれば、私は望みだけは人一倍でしたが、望むだけで満足して、実現するための努力は中途半端でした。
望むものが叶わない。
そのストレスでいっぱいになっていた私を、言い当てられたような気がしたのです。
----------
今でも心にしっかりと刻まれています。
私の人生に大きな影響を与えてくださったことに感謝しています。
虚勢を張ることがなくなりました。
人よりよく見られたいと思ったり、他人と自分の暮らしを比べたりすることもありません。
小さな幸せに気づけるようになり、ささいな喜びで日々を十分楽しく生きられるようになったのも、この言葉のおかげです。
※※※※※
【コメント】
著者は2019年3月21日、心不全により101歳で他界されました。
晩年に書かれた書籍には、やはり年長者ならではの「重み」あるいは「手放したが故の心の軽さ」が感じられます。
小さな望み、小さな幸せ。
いいじゃないですか。
私もそういうものに目が行くようになりました。
それは、本当の幸せを手に入れる一歩ではないかと思います。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |