●映画『長岡大花火 打ち上げ、開始でございます』公式ホームページ
監督:坂上明和
撮影:小山一彦
編集:斎藤隆
音楽:高橋慶吉
ナレーション:佐藤栞里
【あらすじ】
長岡花火の全貌に迫るドキュメンタリー。
中越地震から20年となる 2024年の前年、2023年8月の長岡花火大会。
そこには、花火大会を支える現役花火師、運営に奔走する関係者、現場を支える市民スタッフ、長岡花火に様々な思いを寄せ、時に涙する市民の姿があった……。
本作は、最新の花火大会の様子だけでなく、伝説の花火師や花火にまつわる方々、花火大会の過去映像、歴史的背景を盛り込みながら、過去と今を通じて、長岡花火の全貌に迫ります。
新潟生まれのタレント・佐藤栞里さんがナレーションを担当。
2024年製作/100分/G/日本
配給:ナカチカピクチャーズ
劇場公開日:2024年6月28日
(予告編)
※※※※※
【感想】
全国的にも有名な花火大会。
毎年行われるこの花火を取り扱ったドキュメンタリー映画です。
私の観た回は鑑賞後、監督の舞台挨拶もありました。
世の中、地方を舞台にした映画は数あれど、この映画を越せるものはそうそう無いと思います。
作品内で映し出される花火のスケールと、大会に携わる数々の人たちの想いを前にすると、どんな有名な俳優さんであろうと霞んでしまいます。
この映画、なにかしら作品賞を受賞できるのではないでしょうか。
前半1時間は、なぜこの花火大会が行われるようになったのかを解説。
後半30分は、実際に打ち上げられた花火をいろんな角度から撮影したものを上映しています。
花火を普通に撮影しただけではなく、空撮したり、打ち上げ場所から真上に向かって撮影したもの、人が立ち入り出来ない場所から撮影したものなど、貴重な映像が多かったです。
長岡の花火は、悲しい背景があります。
戦争で焼け野原になり、多くの人が犠牲になった歴史。
2004年には、中越地震という大きな災害にもあいました。
そういった経緯があり、平和への祈りがこめられた花火大会なのです。
太平洋戦争末期に起きた長岡空襲(終戦2週間前!)。
それを一つの家族を通じて舞台で語るパートが印象的でした。
中学生の子たちが芝居をしています(なにかのイベントでやったものを撮影したのかな?)。
夫を戦地へ送り(戦死)、幼い子どもたちを守り生き抜くお話し。
主人公である妻役の女の子は、他の男の子たちより背も高く大人びています。
終盤、本当に泣きながらの芝居は、とてもよかったです。
この花火大会の有名な花火師さん。
昨年逝去されたのですが、戦争中はシベリアに抑留され、厳しい日々を過ごしました。
後年、その場所にて、亡くなった同胞の為に花火を打ち上げたエピソードも印象的でした。
花火そのものの映像は、毎年生中継されるし、ネット配信もある。
新潟に住む私なら、実際に現地で観ることも可能です(有名になりすぎて、最近は有料席の予約が難しいですが)。
そういう、きらびやかな花火そのものだけではなく、平和への祈りをこめた大会だと丁寧に解説している前半も、思いの外良かったです。
監督は、昨年地元の日テレ系テレビ局を退社した方。
さすが、ずっと新潟を見続けた方だけあり、花火大会の背景を上手に描いていましたよ。
ナレーションを佐藤栞里さんへオファーした際も即快諾してくれたそうです。
優しい語りは、この花火大会の意義、願いそのもののように想いました。
監督は、テレビマン時代も名作ドキュメンタリー映画を生んでいます。
だから、この映画も期待していたのですが、やはり良かったですよ。
下記は、監督:坂上明和さんがプロデュースした作品。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |