●『SHARP BRAIN たった12週間で天才脳を養う方法』(サンジェイ・グプタ, 伊藤理恵 著)より
幸福感は認知症リスクを低減させる。
一方で、その逆も起こりうる。
ある種の不安や抑うつ状態は、認知機能の低下やアルツハイマー病の警告サインになることがわかっているのだ。
したがって、ストレスを軽減し、精神的な回復力を高めるための行動を取り入れることが重要である。
私は瞑想の効果を大いに支持しており、「分析的瞑想」という種類の瞑想を毎日行っている。
数年前、インドのムンドゴッドにあるデプン僧院でダライ・ラマ14世と一緒に過ごす機会を得た。
それ以来、瞑想の習慣を身につけたのである。
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「あなたは、分析的瞑想が気に入ると思いますよ」と彼(ダライ・ラマ14世)は言った。
特定の対象に集中する「一点集中瞑想」ではなく、自分が解決しようとしている問題や、最近見聞きした話題、あるいは以前に議論したことのある哲学的な分野について考える瞑想をすすめられた。
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「問題や課題を、大きくて透明なシャボン玉のなかに入れて、他のすべてのものから隔離するイメージをもつように、と言った。
私は目を閉じたまま、自分のなかで解決できずに、わだかまっていることを思い浮かべた。
その問題を具象化したものをシャボン玉のなかに入れると、ごく自然に、いくつかのことが起こり始めた。
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問題は今、私の目の前にあって、無重力状態で浮かんでいる。
頭のなかでは、それを回したり、スピンさせたり、逆さまにしたりすることができる。
これは、「ハイパーフォーカス(極限まで集中力を高めること)」を養うための訓練であった。
シャボン玉が浮かび上がってくると、主観的な感情などへの執着から解放される。
問題が自分から離れていく様子を、クリアにイメージできるのだ。
私たちは往々にして、無関係な感情に惑わされ、目の前にある明確で実践的な解決策を曇らせてしまう。
そうして、気分が落ち込んだり、イライラしたりする。
分析的瞑想を行うと、論理と理性によって目の前の問題をより明確に特定し、無関係な感情から切り離し、疑念を消して、答えを明るく照らし出すことができると、法王は私に教えてくれた。
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神経科学者である私は、仏教の僧侶が(たとえダライ・ラマであっても)、私の人生に演繹法や批判的思考をうまく取り入れる方法を教えてくれるとは思ってもみなかった。
しかし、現実にそれが起きたのだ。
瞑想によって私は変わり、より健康になった。
私は毎日、分析的瞑想を行っている。
思考のシャボン玉を作り、それを自分のうえに浮かべる最初の2分間は、今でも最も難しい。
その後、私は典型的なフロー状態に入ることができ、20〜30分が簡単に過ぎていく。
私は、どんなに疑り深い人であっても、分析的瞑想によって成功を手にすることができると、これまで以上に確信している。
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【コメント】
シャボン玉に問題や課題を入れる。
イメージの世界なので、感覚的なものなのでしょう。
そういう思考法でこころが落ち着くなら、やってみたいと思います。
現実に巻き起こる問題、課題。
それに伴って巻き起こる不安と怒り。
それで心身を壊す必要はありません。
壊れる前に、考え方、捉え方を見直すのは、生きていくうえで大切なことだと思います。
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