●『人望が集まる人の考え方 (レス・ギブリン)』(レス・ギブリン, 弓場隆 著)より)
話をさえぎらず、相手に意見を述べる機会を与えよう。
相手の話に耳を傾けることがどんなに効果的かを思い出してほしい。
話を途中でさえぎられると、相手の自尊心は傷つく。
言いたいことのある人は、話す態勢を心の中で整えている。
だからそれをすべて話し切るまで、他人の意見に耳を傾ける態勢が整わない。
自分の意見を聞いてほしいなら、まず相手の話にじっくり耳を傾けよう。
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ラザラス社のジョン・グレアム人事部長は、卓越した説得の技術を持つ人物である。
彼がよく使うテクニックを紹介しよう。
苦情を言いたがっている人に面会するとき、相手の話を最後まで聞くだけでなく、「要点をもう一度言ってください」と言い、「それ以外におっしゃりたいことはありますか?」と付け加えよう。
これは相手の意見に関心を示していることを示す効果的な方法だ。
相手に要点を繰り返すよう求めることは、相手が興奮しているときに役立つ。
苦情を最後まで言わせるだけでも相手の怒りを鎮めることができるが、それを2、3回繰り返させるとほぼ確実に相手のうっぷんを晴らすことができる。
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多くの人は議論の最中に、自分が正しくて相手が間違っていることを証明しようとやっきになる。
しかし、説得の達人は少し譲って相手の意見に賛同できることを見つける。
相手に少しでも正しい点があれば、積極的にそれを認めよう。
あなたがささいなことを譲歩すれば、相手が重要なことを譲歩してくれる可能性が高くなる。
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ピアース・ブルックス博士はその点について、「たしかにそれも一理ある」と前置きしてから自分の意見を述べることを推奨している。
たとえば、こんな具合だ。
「たしかにそれも一理ありますが、こんなふうに考えてください」
「たしかにおっしゃるとおりなのですが、別の見方もできます」
「たしかにそれは認めますが、違う考え方も成り立つように思います」
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ベンジャミン・フランクリンは自分のアイデアを売り込む史上最高の達人の一人として知られている。
外交交渉ではつねに成功を収め、自分の求めているものを手に入れた。
また、多くの反対を乗り越えてアメリカ合衆国憲法を成立させた立役者と称賛されている。
フランクリンはこう言っている。
「相手を説得するには自分の意見を控えめな態度で正確に述べると効果的だ。
その際、『私が間違っているかもしれないが』と切り出すといい。
相手はあなたが遠慮がちに話しているのを見て謙虚な姿勢に共感し、自分の考えを改めて『あなたが正しい』と言ってくれるだろう」
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【コメント】
外国の人だけれど、まるで日本人的な考えですよね。
外国だと、「主張する声が大きい人が勝ち」という印象だったけれど、そうじゃないのかな。
むしろそういうのは、現代の日本か。
日本の場合は、「言ったもん勝ち」の他に、「能力が無い者の勝ち」みたいなところがあります。
その劣る能力を他の人たちがやらなければいけません(フォローするというより、能力が無い人から仕事を奪い取るという方が正しいか)。
その他、「自分でやらない人(自分でやらず人に仕事をふるのが、真の仕事の才能だと本気で思っている人)」も多い。
そうやってあぐらをかいている人は、今までなら良かったかもしれませんが、来年以降はそうもいきませんよ。
人がいないのですから。
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